巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

黙すべきか黙さざるべきかーーヴォルムス帝国議会前夜に捧げられたルターの苦悶の祈り(1521年)

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〔ヴォルムス帝国議会での訊問の前夜に〕

 

「おお神、とこしえなる全能の神よ!この世は何と恐ろしいものでしょうか!見てください、その口は今にも私を飲み込まんばかりであり、しかも嗚呼、汝に対する私の信仰の何と小さく、脆いことでしょう!・・・おお、わが肉の弱さ、そしてサタンの強さよ!

 

もし今、この世に属するいかなる力に寄りかかろうものなら、その時、万事は休してしまいます。・・・弔鐘は鳴り・・・宣告文は発布されています・・・おお神、おお神よ!

 

おお汝、わが神。この世の知恵から私を守ってください。ええ、そうしてください。私は汝に嘆願します。お願いです・・・汝ご自身の力強い御力によって・・・この働きは私に属するものではなく、汝のものです。

 

私にはこの地上に何も未練がありません。・・・堂々たるあの高士たちと対等に闘う術など私はなんら持ち合わせていません。

 

ああ、できることなら、私は人生の日々を至福と平安の内に送りたい。でも今、目の前にあるのは、汝にかかわることです・・・しかもそれは義にして永遠なるものです!おお主よ、我を助けたまえ!おお、忠実にして決して変わることのない神よ!

 

私は人間に寄り頼みません。それは実際むなしいのです!人に属するものは何であれ、よろめき不安定であり、人から出ているものはいずれ必ず滅びます。

 

わが神、わが神!汝は私の呻きを聞いてくださっているのでしょうか。わが神よ、汝はもはや生きておられないのでしょうか。否、汝が死ぬことなどあり得ません。ただ汝は御顔を隠しておられるだけです。

 

汝はこの働きのために私を選ばれました。ええ。私はそれを自覚しています・・・それゆえ、おお神よ、汝のみこころを為し給え!どうか私を見捨てないでください。汝の愛する御子イエス・キリストゆえに。キリストこそわが守り、わが盾、そしてわが要塞です。

 

主よ、汝はどこにおられるのでしょうか。・・・わが神、どこにおられますか。おお来てください。汝に嘆願します。ええ。私にはもう覚悟ができています。・・・汝の真理のためにわが命を投げ出す覚悟がもうできています。たといこの先、子羊のように苦しまねばならないとしても。

 

なぜなら、闘わなければならない理由は汝ご自身の内にあるからです!そしてそれは聖いものです。・・・私は汝を行かせません!ええ、今も、そして永遠に!

 

たといこの世が悪魔の支配下にあるとしても、、そして、汝の御手のわざであるこの身が、この先、投げ出され、足下に踏みにじられ、ずたずたに引き裂かれ、灰と化しても、、わが魂は汝のものです。

 

そうです、汝ご自身のみことばによってそれは確証されています。わが魂はただ汝のみに属し、そして永遠に汝と共に宿り続けます。アーメン!おお神よ、助けを送り給え!・・・アーメン!

 

 

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