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巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

信仰の船出――カール・ヒルティの信仰詩

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ついにこの世をあとに!

この世の盃(さかずき)はこなごなに砕かれました。

岸をはなれた小舟のなかから

遠い岸辺が、薄明かりの中に見えます。

 

路なき海原に囲まれ、

これからは、ただ希望のみがわが財産です。

 

長い長いあいだたじろぎ、悩みの日々に熟慮したことを、

私はついに敢行しました。

わが巡礼の足が永遠の祖国をみいだすまで、

もうけっして陸地を踏むこともありません。

 

こののち、月桂樹の枝はわたしのために花咲かず、

かしわの冠が私の額を飾ることはありません。

この世のすぎゆく努力はすべて虚しいのです。

おお主よ、私のもとめるのは永遠の冠のみです。

 

あのたなびく霧ははたして岸辺でしょうか。

この荒海のなかに行く手が見い出せるのでしょうか。

そして暗い旅路ののちに、聖なる都を見い出せるのでしょうか。

ああ、いかにつらい苦難の路であろうとも、私は進みます。

 

いざさらば!私を生んだ陸地よ。

苦しみは短く、汝の喜びは永遠なのです。