巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

他者理解/相互理解としてのディスペンセーション主義考究シリーズ① はじめに(by ヴェルン・ポイスレス/ウェストミンスター神学大学、新約学)

f:id:Kinuko:20170402175045p:plain

Vern Sheridan Poythress

 

Vern Sheridan Poythress, Understanding Dispensationalists

Westminster Theological Seminary, PA, summer, 1986

目次は、本記事の後半部分にあります。)

 

著者についての小さな伝記風スケッチ(Biographical Sketch)

ヴェルン・ポイスレス氏は1946年、カリフォルニア州マデラで生まれました。ヴェルンは父ランサム、母カローラ、そして兄ケネスと共に5才まで農場で育ち、9才の時に公にイエス・キリストに対する信仰を告白し洗礼を受けました。

 

その後、ヴェルン氏は、カリフォルニア工科大学で数学の学士号を取得し(1966)、ハーバード大学で数学博士号を取得しました(1970)。そしてカリフォルニア州立大学で数学の教鞭を取った後、ウェストミンスター神学大に入学し、神学修士号(1974年)、および弁証学修士号(1974年)を取得しました。その後、1977年、ケンブリッジ大学で新約聖書学の文学修士号、81年に、南アフリカのステレンボッフ大学で新約聖書学の博士号を取得しました。

 

1976年以降、ヴェルン氏は、ウェストミンスター神学大で新約聖書学を教えています。ヴェルン氏の関心分野はジェンダー包括語訳問題、数学、論理、科学、社会学、聖書解釈、キリスト教認識論、哲学全般など広範囲に及んでいます。また、1971-72年にはノルマン・オクラホマにて言語学および聖書翻訳学を学び、74年、75年、77年には、Summer Institute of Linguisticsで言語学を教えました。

 

ヴェルン氏は、1983年にダイアンさんと結婚し、二人の間にはランサムとジャスティンという二人の息子がいます。また彼はサイエンス・フィクションやバレーボール、コンピューターにも関心を持っています。

 

Publications(著述・論文の一例)

- God-Centered Biblical Interpretation. Phillipsburg, NJ: P & R.

- In the Beginning Was the Word: Language—A God-Centered Approach. Wheaton, IL: Crossway.

-“Gender in Bible Translation: How Fallacies Distort Understanding of the New Testament Gender Passages,” Journal for Biblical Manhood and Womanhood 3/4 (winter, 1998) 1, 5-7, 12

-“Searching Instead for an Agenda-Neutral Bible,” World 13/45 (November 21, 1998) 24-25 [a review of D. A. Carson, The Inclusive Language Debate: A Plea for Realism, and Mark L. Strauss, Distorting Scripture? The Challenge of Bible Translation & Gender Accuracy].

- Co-authored with Wayne A. Grudem. The Gender-Neutral Bible Controversy: Muting the Masculinity of Gods Words. Nashville, TN: Broadman and Holman.

- The Returning King: A Guide to the Book of Revelation. Phillipsburg, NJ: Presbyterian and Reformed.

-“Greek Lexicography and Translation: Comparing Bauer’s and Louw-Nida’s Lexicons,” JETS 44/2: 285-296.

-“Political Correctness and Bible Translation: A Preliminary Response to Ellis W. Deibler,” published at <www.keptthefaith.org> and <www.cbmw.org>.

-“Male Meaning in Generic Masculines in Koine Greek,” Westminster Theological Journal 66: 325-36.

-“Why Scientists Must Believe in God: Divine Attributes of Scientific Law,” Journal of the Evangelical Theological Society 46/1: 111-23.

-“Do Modern People Have Room for the Wrath of God.” Internet posting at <http://www.frame-poythress.org/poythress_articles/2007DoModern.htm>.

-“Bible Translations for Muslim Readers,” Mission Frontiers online post, at <http://www.missionfrontiers.org/blog/post/bible-translations-for-muslim-readers>, February 7, 2011.

- Inerrancy and The Gospels: A God-Centered Approach to the Challenges of Harmonization. Wheaton, IL: Crossway.

- Inerrancy and Worldview: Answering Modern Challenges to the Bible. Wheaton, IL: Crossway.

- Logic: A God-Centered Approach to the Foundation of Western Thought. Wheaton, IL: Crossway.

- Chance and the Sovereignty of God: A God-Centered Approach to Probabiliy and Random Events. Wheaton, IL: Crossway.

- Redeeming Philosophy: A God-Centered Approach to the Big Questions. Wheaton, IL: Crossway.

-  “Why Is Science Possible?,” in Faith & Science Conference: Genesis & Genetics: Proceedings of the 2014 Faith & Science Conference, ed. David R. Bundrick and Steve Badger (Springfield, MO: Logion, 2014), 15-22.

- Redeeming Mathematics: A God-Centered Approach (Wheaton, IL: Crossway, 2015).

-“Biblical Hermeneutics,” in Seeing Christ in All of Scripture: Hermeneutics at Westminster Theological Seminary, ed. Peter A. Lillback (Philadelphia: Westminster Seminary Press, 2016), 9-16.

- Reading the Word of God in the Presence of God: A Handbook for Biblical Interpretation (Wheaton, IL: Crossway, 2016).

 

謝辞

本論文をわが妻ダイアンに捧げます。そして執筆をするに当たり私を励ましサポートし続けてくれた彼女に感謝を捧げます。

 

ウェストミンスター神学大学は、1983年秋学期に、私に研究のための長期有給休暇を提供してくれました。また私は、ブルース・ウォルケ博士およびウェストミンスター神学大の学生の皆さんから、ディスペンセーション主義に関する背景や懸念について建設的な助言をいただきました。

 

またダラス神学校で研究する間、私は当校においてディスペンセーション主義者の方々から多くの建設的な提案をいただき、またダラス神学校の教授陣のみなさんから手厚いもてなしを受けました。そのことにも感謝しております。

 

さらに今日、多くのディスペンセーション主義者および契約神学者双方が、過去に抱いていた偏見を一旦脇に置き、自分とは違う陣営にも存在する幾つかの良い洞察を進んで認めようとしていることを私は尊く思い、かつ感謝しています。

 

目次

 

1.

ディスペンセーション主義者と非ディスペンセーション主義者が、互いの意見に耳を傾け合う

「ディスペンセーション主義者」という用語について

聖書の歴史的形態

ジョン・ネルソン・ダービー(1800-82)

 

2.スコフィールドのディスペンセーション主義の特徴

C・I・スコフィールドの一般教説

スコフィールドの聖書解釈

スコフィールドの区分法の精巧さ

 

3.ディスペンセーション主義のバリエーション

今日への適用としての旧約聖書使用

スコフィールド以後のいくつかの進展

 

4.契約主義神学の中での進展

契約主義神学における修正

贖罪的時代区分ないしは《ディスペンセーション(経綸)》

代表的かしら性

キリストの十字架における二分法

旧約聖書の聞き手による理解

千年王国と万物の成就

親交回復の可能性

 

5.短絡的な反論はほぼ不可能

成就に関する微妙な答え

社会的要因

社会的要因を評価する

 

6.ディスペンセーション主義者との対話のためのストラテジー

聖書釈義の適切性

特定の神学的諸問題

 

7.最後のラッパ

1コリント15:51-53――患難期前再臨説にとっての問題

ディスペンセーション主義者の一般的回答

 

8.聖書の「字義的」解釈とは何でしょう?

「字義的(“Literal”)」という意味の抱える諸問題

言葉(単語)の意味

字義性を定義する

「プレーンな(“Plain”)」解釈

 

9.字義性に関する、ディスペンセーション主義者の解説

字義性についてのライリーの説明

字義性に関するその他の言明

聖書解釈における全域的な諸要素について

 

10.旧約聖書のイスラエルにおける解釈的見地

前キリスト教時代の聴衆者による実際の解釈

イスラエルの希望

祭司の王国としてのイスラエル

大王の臣下としてのイスラエル

預言の言葉の受け取り手としてのイスラエル

 

11.予型論に関する挑戦

予型論に対するディスペンセーション主義者のアプローチ

予型としての神殿

文法的・歴史的解釈法に対しての限界

 

12.ヘブル人への手紙12:22-24

シオンの山およびエルサレムにおける成就

アブラハムの希望

黙示録における新しいエルサレム

新しい地

ヘブル12:22の重要性

 

13キリストの内にあるイスラエルの成就

旧約の諸約束の相続人となる

救済からキリストにある統合された一致に基づいて判断

 

14将来的探求のためのその他の領域

未だ探索されていない諸テーマ

第二版への追記

 

文献目録

 

f:id:Kinuko:20170423030028p:plain