巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

主よ、造られし物への愛着から私を解き放ってください。(イサク・ワッツの信仰詩)

 

この地の世界は、なんと はかないものでしょう!

なんと偽りに満ち、なお且つ、魅惑的なもので溢れているでしょう!

それぞれの快楽には、毒も混じっており、

心引かれるものにはまた、誘惑もつきまといます。

 

地に存在する もっとも光輝なものであっても、

それはほの暗い灯を与えるにすぎません。

悦びに浸るとき、私たちは自らに危険が迫っていないのか

警戒しなければなりません。

 

最も大切にしている喜び、最も大切な友人、血を分けた家族。

ああ、彼らの存在によって、なんと容易に

私たちの心は揺れ動き、

神への想いが二の次にされることでしょう。

 

被造物への愛着。

おお、これはなんと強靭な力で、私たちの感覚を打ち悩ますことでしょう。

 

愛しい救い主!

汝の美しさをして、わが魂の永遠の糧となさしめてください。

そして汝の恵みにより、わが心を 

すべての造られし良きものから

引き離してください。

 

Isaac Watts, Love to the creatures is dangerous(私訳)

 

 

祈り

主よ、あなたなしで、どこで私は幸いであったでしょうか。あなたがおられて、いつ私は不幸であったでしょうか。私はあなたなしで富むよりは、むしろあなたのゆえに貧しい方を望みます。私はあなたなしで天を持つよりは、むしろあなたと共に、地上の旅びととなりましょう。

 

あなたがいられるところ、そこに天があり、あなたがおられないところ、そこに死と地獄があります。あなたはわがすべての願いであります。それゆえ、私はどうしてもあなたに向かって嘆き、呼び、熱心に祈らずにはいられないのです。つまり、私が十分に信頼のできる者、わが乏しい時に折にかなう助けを与えることのできる者、それはわが神あなたをおいては他にないのです。

 

あなたはわが希望、わが信頼です。私のすべての苦難と苦悶とをあなたにゆだねます。あなたの外に見い出すものはことごとく、弱くてはかないものであるからです。あなた自身が私たちを助け、救い、強め、慰め、教え、また守られるのでなければ、多くの友も益せず、強い援助者も助けず、賢明な助言者も有益な答えを与えず、学者の書物も慰めを与えず、どんな貴いものも救い出さず、どんなひそかな快い場所もかくまうものではありません。

 

平安と幸福をもたらすと思われるすべてのものは、あなたなしでは無にひとしく、実は少しも幸福をもたらさないのです。それゆえ、あなたはすべての善の源であり、いのちの絶頂であり、教えの深淵であります。そしてあらゆるものにまして、あなたに希望をおくことは、あなたのしもべたちの最も強い慰めです。

 

あわれみの父なるわが神よ。あなたに向かってわたしは目を上げます(詩141:8)。あなたに私は信頼をおきます。天の祝福をもって、私の魂を祝して清め、これをあなたの聖なる宮、あなたの永遠の栄光の座としてください。そして、あなたの神聖なこの宮には、貴い目にさからうものは何もないようにしてください。

 

あなたの大きな慈しみと、かずかずの憐れみとをもって、私を顧み、遠くあなたから追放されて死の陰の地(イザヤ9:2)にあるあなたの貧しいしもべの祈りを聞いてください。この朽つべき世のあらゆる危険のさなかで、あなたのしもべの魂を防ぎ守ってください。そして、あなたの恵みが私の魂につきそい、平安の路を通って、とこしえの光かがやく故郷へと導いてください。アーメン。

ー『キリストにならいて』