巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

今日、春がほとばしり出た!(クリスティナ・ロセッティの信仰詩)

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今日、春がほとばしり出た。

なぜなら、キリストがよみがえられ、

大地がみな、喜びに舞い踊っているから。

 

おお太陽よ、輝いておくれ。

雨はやみ、業を終え、どこかへ行ってしまった。

 

冬は去った。

そしてついに甘美な春がきた。ついに来た。

 

つぼみ、 いちじく、ぶどうの木。

芽、オリーブ、、豊満な実、油、そして葡萄酒。

 

さあ、今暁、バラにおなりなさい。

昨日はとげであった君よ。

 

頭(こうべ)を挙げてごらん。

おお、死の冬をくぐりぬけた わが純白の白百合よ。

 

母羊のかたわらで、

思いっきりはね回り、喜びなさい、陽気な子羊たち。

 

牧場の群れ、

茂みや岩かげにいる獣たちよ、さあ喜び踊ろう。

 

歌おう、生き物たちよ、歌おう。

御使いも人も鳥もみな、共に歌おう。

 

ああ鳩たちの美しい調べよ、全世界を満たしておくれ。

ーこの愛の季節に。

 

Christina Rossetti, An Easter Carol(私訳)

 

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Christina Rossetti(1830-94):イタリア系の英国詩人D・G・ロセッティの妹で、敬虔なキリスト信仰者であったクリスティナ・ロセッティのこの「春の詩」をなぜだか今、とっても訳したくなりました。復活祭の時期のために書かれた詩だと思いますが、この詩の中で彼女は、「キリストの復活」を「春の訪れ」になぞらえ、また雅歌の聖句も意識しながら、冬(→死)が去り、春(→復活)が到来した喜びを、子どもような無邪気さと純白さで詠っています。

 

思えば、主キリストこそ、私たちにとっての「永遠の春」ではないでしょうか。外的にはたとい真冬であっても、キリストの復活のいのちによって瞬間瞬間を生きる私たちの心は、この詩で描写されているごとく、春の訪れに喜び舞っているー。願わくば、それが私や愛するみなさんの「今」であり、永遠の「今」となりますように!!アーメン。