巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

ふるさとの訛なつかし

元プロテスタント教会ユースパスターでカトリックに改宗されたキース・ネスター氏が、「カトリック教会に対するプロテスタント信者の誤解ベスト5」を身振り手振りを交え、真に迫って解説しておられます。

告白者聖マクシモス、フィリオクゥエ、そして教皇制――Proof Textから橋渡し役へ(by エドワード・シィチェンスキー教授)

Daniel Haynes ed., Andrew Louth, FBA., A Saint for East and West: Maximus the Confessor’s Contribution to Eastern and Western Christian Theology, 2019. Chapter 2. Edward Siecienski, Saint Maximus the Confessor, the Filioque, and the Papacy…

探求の過程で生じる「懐疑」をどう取り扱えばいいのだろう?――霊的脱構築と信仰サバイバル

出典 目次 分かち合い1 分かち合い2 分かち合い3 光の方向に向かい闇の中を進みつづける信仰

驚くばかりの恵みなりき――「恵み」再発見の旅

出典 昨日の説教箇所は第二コリント12章の「わたしの恵みはあなたに十分である」という箇所でした。私の通っている修道会所属のギリシア正教会では、説教は領聖(聖体拝領、聖餐)の直前になされます。

和解の小さな一歩――「宗教改革記念日」を前に

「あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。 互いに愛し合うならば、それによってあなたがたがわたしの弟子であることを、皆が知るようになる。」 ヨハネによる福音書 13…

東西の伝統派信者たちが取り組む必要のある諸課題(その2)

出典 目次 東方での課題 西方での課題 両者が共に闘わなければならない最大の敵

キリスト教会の〈普遍性〉へのたましいの欣求――「西方典礼正教(Western Orthodoxy)」「東方典礼カトリック」「聖公会継続派」

「キリスト教礼拝の歴史に通じている人なら誰であれ、西方典礼伝統の豊かさを否定することはできないだろう。特に、旧く敬虔なローマ典礼の豊かさを。」アレクサンダー・シュメーマン神父、東方正教会 *写真は「西方奉神礼教会/ 西方典礼正教(Western Rite…

「最近チャペル・ベールの着用始めました!」(モリア姉妹の喜びの証)

Women Who Wear Veils by Lily: Moriah, Veils by Lily, 2014(拙訳) ベール実践を始めてかれこれ一カ月になりますが、この決心が自分の霊的旅路にもたらしている驚くべき恵みについてどういう風にご説明したらよいのか分かりません。神学的理由から私はベ…

東方キリスト教世界のベール理解と男女観――イコン神学の観点から――(by パトリック修道士)

Monk Patrick, Head Coverings, Energetic Procession, 2012 (拙訳) 聖パウロによると、男性および女性はそれぞれイコン的機能(iconic function)を帯びています。すなわち、男は神の似姿であり神の栄光の現われであり、女は男の栄光の現われであるという…

私たちの隣人(by マリア・コルナルー)【友情寄稿】

執筆者:マリア・コルナルー。学生コラムニスト。ギリシャ共産党員の家庭に生まれ、無神論者として育つ。大学2年の時、キリスト教(ギリシャ正教)に回心。エスティア新聞やエンディモ学術誌、Ἑνωμένης Ρωμηοσύνηςサイトなどに政治、宗教、哲学関係のエッセ…

倫理的価値は果して客観的か。――今こそ手に取りたいC・S・ルイスの『人間の廃絶』

C・S・ルイス研究者として有名なマイケル・ワード神父(オックスフォード大学上級研究員)が数か月前、After Humanity: A Guide to C.S. Lewis’s The Abolition of Man (仮:人間性なき時代――C・S・ルイスの『人間の廃絶』案内」という書を出版されました。…

神の国の顕現(by トリフォン修道院長)

出典 Abbot Tryphon, Manifesting the Kingdom, The Morning Offering, 19 Oct, 2021(拙訳) 福音は、この世に神の国の到来を告げるようキリスト者に要求します。――政治的イデオロギーによってではなく、個々のキリスト者の自己変容によって。

教派問題でノイローゼ気味になっている方への気分転換用ショート・コメディ

下のコメディー・ショートclipで演じているロフトン師は、硬派ディスペンセーション主義の信奉者(The International Christian Embassy Jerusalem; ICEJ)だった両親の元で生まれ、2歳の時、家族でイスラエルに移住します。4歳で両親が離婚、ロフトンは母…

祈りの東向性(アド・オリエンテム)の霊的意味

「私たちは皆、祈る際に東の方角(toward the East)を向いていますが、そうすることによって実は自分たちが古の故郷を再び憧憬し欣求しているということを自覚している人はわずかです。古の故郷――、そう、エデンを臨む「東」に植えられしパラダイスのことで…

「マリアへの崇敬は人間の心のもっとも深奥に刻み込まれている。」マルティン・ルター

出典 M・バジレア・シュリンク著『救い主の母の道―キリストとともに、キリストのために』エピローグより一部抜粋 ルターは生きている限り、母マリアを尊び、母マリアの祝日を聖別し、マリアの賛歌(マグニフィカート)を毎日歌っていました。 ↑ マリアの賛歌…

聖書正典(biblical canon)の問題に正面から取り組んだ福音神学校教師の探求記

写真 私の辿ってきた道ーーダグラス・M・ボウモント師の信仰行程【その1】南部福音神学校の教官としてより一部抜粋 南部福音神学校(SES)で教鞭を取りながら同大学の博士課程にも入っていた私は当時、神学校で受容してきた、より重要な諸教理に関し研究を…

「ヘブル的視点」の兄弟姉妹とのフレンドリーな対話

目次 ①私たちは聖書を、霊感を受けた誤りなき神のみことばと信じています。ただし具体的にどの書が聖書正典の中に入れられるべきかの決定には神の摂理の中で実に300年以上の年月が必要でした。 ②どうして肝心のヨハネの福音書6章を「字義的解釈」せず、…

両親が離婚した時、幼い私は父か母かどちらか一方を選ばなければならなかった。(by マイケル・ロフトン師)

Michael Lofton, When My Parents Divorced, I Had to Choose Between Them!, Reason and Theology, Sep. 2021.(拙訳) 両親が離婚した時、幼い私は父か母かどちらか一方を選ばなければなりませんでした。でもうちの家族の状態は初めからそうだったわけでは…

宗教を語る上での3つの良い方法及び3つの悪い方法(ダミック神父&マイク牧師コラボ出演)

www.youtube.com

「プロテスタント的」という揶揄表現の乱用について

www.youtube.com ↑「プロテスタンティズムに対する四大カリカチュアについて」by バプテスト教会G・オートランド牧師 少し前に告解の秘跡に行った時、私は「堪忍袋の緒が切れかけています。立腹しています。」と聴罪神父様の前で告白しました。何に腹を立て…

勇ましい生涯

渡月橋の紅葉(出典) 内村鑑三は、『後世への最大遺物』という講演録の中で、私たちクリスチャンが後世に何を残すことができるのかについてメッセージしています。

(霊的)戦国武将たちが再び立ち上がる時。

「臆病者の目には、敵は常に大群に見える。」織田信長 写真 目次 はじめに 【特別寄稿 再掲載】戦後 70 年、荒野で叫ぶ者の声(宣教師訓練センター 石野 博師)

世俗イコンと神の国のイコン―「ジェンダーレスファッション」にみる思想のかたち

ジェンダーレスファッション(出典)*写真に映っている人は男性。 先日、仲の良い友人が下の記事をシェアしてくれました。GU(ユニクロのカジュアルブランド)の新作発表会でジェンダーレスファッション(「性差のない」服装)が強力に打ち出され、201…

「死の接吻」――女性按手、自由主義神学、教勢の衰退、そして神の聖意図

牧師按手礼を受ける3人の女性(写真:サドルバック教会のフェイスブックより)出典 「率直に言って、(自由主義神学を採用した教団には)男性はそれほど多く残っていません。実際に、そういった教会にはあまり人が残っていないのです。自由主義神学は、あら…

三位一体論「御父のモナルキア」教説にかんする優れたビデオ講義シリーズのご案内

「仮にズィズィウーラスの分析が正しいとするのなら、神的モナルキア*1に関する決定的重要性に関しなぜ正教がかくまで力点を置いているのかをよりよく理解できると思います。 それは、自然の必然(necessities)の上に存在する神の自由を保証し、無限にして…

フィリオクゥエ条項と、東西教会の再一致に向けた具体的提案(エドワード・A・シィチェンスキー教授の個人的告白)

Edward Siecienski, ‘Unity of the Churches—An Actual Possibility: The Rahner-Fries Theses and Contemporary Catholic-Orthodox Dialogue,’ in Analogia 9, Ecclesial Dialogues : East and West I. (はしがきの部分を翻訳) はしがき(個人的所感) 『…

「教派壁」の向こう側にいる「他者」をどのように捉えればよいのだろう。――顔と顔を合わせた心の交流から生まれてくるもの

夕ぐれて秋めく風や歩をゆるめ 丹羽敦子(酸漿) 先日、正教神父アンドリュー・ステファン・ダミック神父へのインタビューVTRを観ました。とても教えられることの多い洞察に満ちた内容でした。

なんとコイネー・ギリシア語で普通に会話ができる時代になりました!【素敵な語学チャンネルのご紹介】

最近、コイネー・ギリシア語勉強のための素敵なチャンネルを見つけました。復元式ギリシア語発音を採用しつつ、聖書ギリシア語を生きた言語として現代に蘇生させようとしています。

ライサ・マリタンの祈り

出典 ライサの霊的日誌より 1906年6月プロンビエールにて(拙訳) わが神、私は汝の御前に在ます。おお汝の前に、私はくずおれ、粉々に砕け、無と化します。 汝の偉大さを仰ぎ見ます。わが必要は 甚大です。どうか憐れんでください。

見よ、真夜中に花婿がやって来る。(♪ Behold, the Bridegroom comes in the middle of the night)

マタイの福音書25章1-13節(十人のおとめの譬え) 25:1 「そこで、天の国は次のようにたとえられる。十人のおとめがそれぞれともし火を持って、花婿を迎えに出て行く。 2 そのうちの五人は愚かで、五人は賢かった。 3 愚かなおとめたちは、ともし火は…