巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

聖書ギリシャ語/聖書ヘブライ語

いかなるプロセスを経て「イエシュア=生けるトーラー」という教義が形成されていくのか?【ヘブル的ルーツ運動(HRM)検証】

ヘブル的ルーツ運動(HRM)のサイトより(出典) 目次 「イエシュア=生けるトーラー」という教理の決定的ジレンマ 訳者補足ーー意味論の領域における再解釈の試み תורה (Torah)とは?(『牧師の書斎』サイト収録文献より引用) 上の引用文に対する訳者の所…

「新約聖書のヘブル的解釈」「イエシュア=生けるトーラー」等の考え方をバックアップしている思想的背景について

あらゆる新運動にはそれを支える神学があり、思想がある。 目次 『牧師の書斎』に収録されている文書群より 要点 考察1 依拠している解釈法について 考察2 言語における慣習性について 考察3 「イェシュア=生けるトーラー」 まとめ 【補足資料】「日本福…

教会政治とジェンダー論ーー女性教職を認めるべきか?(ウェイン・グルーデム著『組織神学』第47章)後篇【さまざまな反論に対する応答】

困ったなぁ~。どうしよう。 目次 はじめに 反論の実例 ①「ジェンダーではなく賜物によってミニストリーは決定されるべきです。」 ②「神様が女性である私を真実に牧師に召してくださいました。」 ③「新約聖書はしもべとしてのリーダーシップを重んじています…

パウロにおけるイエス・キリストのピスティスの意義ーーロマ 3 : 22、26 ; ガラ 2 : 16 ; 3 : 22 ; フィリ 3 : 9 の釈義的考察(原口尚彰氏論文)【「イエス・キリストの信実」/主格的属格説】

目次 はじめに I. 語学的考察 1. πίστις の語義 2. πίστις に係る属格表現 2.1 事物を表す名詞の属格 2.2 人格的存在を表す名詞の属格 2.2.1 神的存在を表す名詞の属格 2.2.2 人間を表す名詞の属格 2.2.3 イエス・キリストを表す名詞の属格 II. 釈義的考察 1…

“Faith” と “Faithfulness” (D・A・カーソン師)【「イエス・キリストへの信仰」/目的格的属格説】

D・A・カーソン(トリニティー神学校、新約学) 「信仰と従順は相反していません。両者はまさに互いに属し合っています。実際、多くの場合において、‘faith’という語自体、‘faithfulness’と適切に訳すことが可能であり、この点を主張しているわけです。」 …

新約聖書ガラテヤ書 2:16 およびローマ書 3:22 における "πίστις Ἰησοῦ Χριστοῦ"の日本語翻訳検証(関智征氏論文)【「イエス・キリストの信」/主格的属格説】

出典 目次 はじめに 1.語義、文法、および解釈史の考察 1.1. 語義的考察 a) 古典ギリシャ世界での語義 b) 旧約聖書(七十人訳聖書)の語義 c) 初期ユダヤ教文献における語義 1.2 文法的考察 1.3. 解釈史 a) 伝統的な解釈 b) 主語的解釈の主張 c) faith in …

パウロ書簡における"πίστις Ἰησοῦ Χριστοῦ"(ピスティス イエスー クリストゥー)の諸解釈ーー主語的属格にとるか、目的語的属格にとるかを巡って【パウロの信仰義認論の解釈】

目次 はじめに あぁ困った!一体どちらが ‟伝統的” 解釈でどちらが ‟新” 解釈なのか分からなくなった。

なぜホームスクーリングの親や教育関係者たちがヘブル的ルーツ運動(HRM)に巻き込まれているのか?ーーHRMの説伏プロセスを解析する。

教育と子ども(出典) 目次 訳者はしがき ホームスクーリングーーヘブル的ルーツ運動の恰好のターゲット?! ほんのわずかのパン種が、粉のかたまり全体をふくらませる ホームスクーリング支援団体「ハート・オブ・ウィズダム」の教えについて ニーズを確立 …

コイネー・ギリシャ語復元版発音法と音のリズムーー言語の呼吸と語感

出典 言語の持つリズムや発音、旋律には詩的で音楽的な性質が宿っていると思います。前の記事で書きましたように、近年、音声学の発達により、ヘレニズム期ギリシャ語の発音がかなりの度合いで正確に復元されつつあり、それが、聖書ギリシャ語教育に、コミュ…

こんなに面白いギリシャ語の学び方があるんだ!ーー創造的で楽しい聖書ギリシャ語学習法

出典 目次 今、コイネー・ギリシャ語がおもしろい! スターウォーズのヨーダと共に、ギリシャ語のBe動詞を学ぼう! マタイ5章をジェスチャー付きで朗読する 前置詞はぬいぐるみたちにお任せ♡ コイネー・ギリシャ語で「♪主われを愛す」を歌ってみよう 音(オ…

Ιωάννης ο Χρυσόστομος の訳語「聖金口イオアン」について少しだけ感想を述べさせてくださいね♡

聖ヨハネス・クリュソストモス(St. John Chrysostom)にはいろいろな訳語があります。 ーヨハネ・クリュソストモス ーヨハネス・クリソストムス そして日本正教会は、この人名を、聖金口イオアン(せいきんこうイオアン)と訳しています。

解釈者の苦悶と告白

目次 はじめに 告白

黙示録2章のニコライ派に関し一般に信じられている〈神話〉についてーー「語根にかかわる誤謬(root fallacy)」の事例

ニコライ派ーーキリスト教内における権力とコントロール(ヘブル的ルーツ運動に関与するMidrash Monthlyのサイトより)Nicolaitan | Midrash Monthly 目次 はじめに 初代教会の証言 現代の実例 結語 〔一次資料〕ニコライ派に関する古代および中世文献 〔補…

言語学者たちの語彙的誤謬について(by ダニエル・B・ウォーレス、ダラス神学校 新約学)

ソシュールは,言語変化を研究する「通時的な(diachrony)」言語学と,ある時点における言語の状態を研究する「共時的な(synchrony)」言語学を峻別することを主張した.ソシュールによれば,この2つの観点はまったく相容れず,完全に対立するものである.…

言語における慣習性(conventionality)ーー「ヘブライ的思考 vs ギリシャ的思考」という教説の問題点について(by アンソニー・ティーセルトン)

トーレイフ・ボーマン著『ヘブライ人とギリシヤ人の思惟』(新教出版社)(原題:Hebrew Thought Compared with Greek) ヘブライ語の歴史ーー「抽象」と「具体」(ジェフ・A・べンナー氏の教説) Anthony Thiselton, 'Semantics and New Testament Interpre…

2テサロニケ2:3は、「教会の携挙」のことを言及しているのでしょうか?ーー「アポスタシア」の意味解釈について(by ゲイリー・ショーグレン、ウィリアム・W・カムズ)

目次 ゲイリー・ショーグレン師の論考〔邦訳〕 ウィリアム・カムズ師の論考〔英文〕 はじめに 2テサロニケ2:3の文脈 ラプチャー見解の歴史 ラプチャー見解における幾つかの訴え ①より初期の英語訳に訴える ②ἀποστασίαの意味 ③文脈的議論 結語

過度の単純化/還元主義/誤前提から生み出される解釈的弊害を避けるために①ーー「ヘブライ的思考」「ギリシャ的思考」に関する考察(ミラード・エリクソン『キリスト教神学』)

「ヘブライ的思考 vs ギリシャ的思考」ーー代表的な「ヘブル的ルーツ運動」の団体119Ministriesの教えより Millard J. Erickson, Christian Theology, Part 5. Humanity, sec. 23. The Constitutional Nature of the Humanより(抄訳) 非常に重要かつ影響力…

ただ恵みによってーー「ヘブル的ルーツ運動」:ある脱会者の心の軌跡

恵みとは、、何だろう(出典) 目次 はじめに パート1 ことの始まり はじめてのメシアニック・シャバット 礼拝の美しさ、神に対する畏敬 「ヤハウェ」と「イェシュア」 シッドゥールを用いた祈り パート2 より深く入っていく 「新契約」ではない「更新され…

新約聖書の中における意味変化について(by モイセス・シルヴァ、ゴードン・コーンウェル神学大)

目次 意味的保守主義による変化 意味刷新による変化 ①省略(Ellipsis) ②メトニミー(換喩・転喩, metonymy) ③メタファー(隠喩, metaphor)

聖書ヘブライ語について(by ウィリアム・バリック)

目次 ヘブライ語の性質と歴史 1.セム語族(アフロ・アジア語族)の言語について 2.セム語族の語派 3.セム語族(アフロ・アジア語族)の図表 4.その他のポイント ヘブライ語発音の分類 5.ラビ文学 ミドラーシュ タルムード

聖書のワード・スタディーをする際に注意すべき事:その⑮ 言語資料の際立った特徴点を、根拠なく軽視する(by D・A・カーソン)

D.A.Carson, Exegetical Fallacies, Chapter 1. Word-Study Fallacies, p.25-66(拙訳) "to justify"(義とする)という意味で、パウロがδικαιόωを用いており、"justification"(義認)という意味でしばしば δικαιοσύνηを用いているという理由で、多くの学…

聖書のワード・スタディーをする際に注意すべき事:その⑭ ギリシャ語新約聖書のセム語的背景に関する諸問題(by D・A・カーソン)

使徒パウロ D.A.Carson, Exegetical Fallacies, Chapter 1. Word-Study Fallacies, p.25-66(拙訳) この表題の下には、おそらく一グループとして括ることのできる、数多くの困難な問題および、それに付随する数々の誤謬が潜んでいます。

聖書のワード・スタディーをする際に注意すべき事:その⑫ 意味領域に対する根拠なき制限(by D・A・カーソン)

広域的ひろがり・・・ D.A.Carson, Exegetical Fallacies, Chapter 1. Word-Study Fallacies, p.25-66(拙訳) 小見出し 単語のトータルな意味領域の広さ boardの事例 広大な意味領域をもつεἰμί "This is my body" ヨハネ1:1「ことばは神であった」

聖書のワード・スタディーをする際に注意すべき事:その⑨ シノニム(同義語)と成分分析に関する諸問題(by D・A・カーソン)

D.A.Carson, Exegetical Fallacies, Chapter 1. Word-Study Fallacies, p.25-66(拙訳) 小見出し 同義性(synonymy)と等価性(equivalence)の区別がなされていない なぜこれが問題となるのか? なぜシノニム(同義語)の扱いがこれほど難しいのか 意味的…

聖書のワード・スタディーをする際に注意すべき事:その⑤ 背景資料への不注意な依拠(by D・A・カーソン)

ὕδωρ D.A.Carson, Exegetical Fallacies, Chapter 1. Word-Study Fallacies, p.25-66(拙訳) 小見出し ヨハネ3:5のὓδατος καίについてーー私の過去の誤解釈 マタイ5:1の「山;ὄρος」とルカ6:17の「平らな所;πεδινός」 過去の失敗からの教訓

聖書のワード・スタディーをする際に注意すべき事:その④ 未知の、もしくはありそうもない意味に訴える(by D・A・カーソン)

Θέλω δὲ ὑμᾶς εἰδέναι ὅτι παντὸς ἀνδρὸς ἡ κεφαλὴ ὁ Χριστός ἐστιν, κεφαλὴ δὲ γυναικὸς ὁ ἀνήρ, κεφαλὴ δὲ τοῦ Χριστοῦ ὁ Θεός. (1コリント11:3) D.A.Carson, Exegetical Fallacies, Chapter 1. Word-Study Fallacies, p.25-66(拙訳) 小見出し Κε…

聖書のワード・スタディーをする際に注意すべき事:その③ 意味の廃用(by D・A・カーソン)

D.A.Carson, Exegetical Fallacies, Chapter 1. Word-Study Fallacies, p.25-66(拙訳) 小見出し 意味の廃用(Semantic obsolescence)とは? μάρτυς の意味の変遷 Κεφαλή(ケファレー)=源??

聖書のワード・スタディーをする際に注意すべき事:その② 意味のアナクロニズム(by D・A・カーソン)

οὐ γὰρ ἐπαισχύνομαι τὸ εὐαγγέλιον· δύναμις γὰρ Θεοῦ ἐστιν εἰς σωτηρίαν παντὶ τῷ πιστεύοντι...(ローマ1:16a) D.A.Carson, Exegetical Fallacies, Chapter 1. Word-Study Fallacies, p.25-66(拙訳) 小見出し 意味のアナクロニズムとは? 神のδύναμ…

聖書のワード・スタディーをする際に注意すべき事:その① 語根にかかわる誤謬(by D・A・カーソン)

小見出し はじめに 1.語根にかかわる誤謬(The root fallacy) ὑπηρέτης(しもべ)の基本的意味は、「船やボートを漕ぐ人」?? ἀπόστολος(使徒) μονογενής ἀγαπάωとφιλέω 3つの但し書き

聖書のワード・スタディーをする際に注意すべき事:【目次】と【プロローグ】(by D・A・カーソン)

D・A・カーソン、トリニティー神学校、新約学 D.A.Carson, Exegetical Fallacies, Chapter 1. Word-Study Fallacies, p.25-66(拙訳) 目次 プロローグ 釈義的誤謬の蔓延 批判的釈義(critical exegesis)の大切さ よく「聞く」 なぜ私たちの間にこれほどま…