巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

神観・人間観・世界観・歴史観

プロテスタント信仰の原点に立ち返る(三谷隆正)

三谷隆正(1889-1944)京都府与謝郡弓木村(現・与謝郡与謝野町)出身で、横浜で生糸商をしていた三谷宗兵衛の長男として生まれる。明治学院中学在学中、異母姉三谷民子(のち女子学院院長)の影響でクリスチャンとなった。父の事業破産によって、…

永続性の根底にあるもの(山田昌)

「わが憐みなる神よ、御身を呼び求めたてまつる。あなたは私を造り、あなたを忘れていたときにも、その私をお忘れにならなかった。あなたを心のうちに招じ入れたてまつる。 心が熱望をもってあなたをお迎えするように、心を準備してくださるのはあなたである…

イマヌエル・カントとキリスト教世界観(ヴェルン・ポイスレス)

目次 『純粋理性批判』の冒頭 カントにおける一般恩寵 用語の分析 対象に関する認識を作りだすナラティブ 「表象/像」とは何か? 多数の前提、多数の視点 経験論者 vs 観念論者 「対象」とは何か? 脱構築 キリスト教世界観

聖書の霊感と権威(宇田進師 他)

目次 聖書論への基本的アプローチ(宇田進師) エルンスト・トレルチ「歴史的方法」 R・K・ブルトマン「聖書の非神話化論」「実存論的解釈」 聖書観の構築ーー聖書の「自己証言」に基づいて 霊感とは 十全霊感 言語霊感 有機的同流 聖書は神のことばである…

宗教言語にナショナリズムが結びつく時

目次 「特別な」言語 〈唐芋〉標準語 国民国家形成と「言語」 「聖なる」諸言語とナショナリズムが結びつく時

人は聖書的男性像を「見る」ことによって変えられる

聖書的男性像(biblical manhood)というのは一体どのようなものなのでしょうか。それは現実に存在するものなのでしょうか。 百聞は一見にしかずということわざがありますが、確かに百回抽象的概念を聞くよりも、一度、その概念を具現化しているような実体な…

「私の視点」と「もう一つの別の視点」ーーギリシャ正教会の国で生きる少数派プロテスタント教徒として

巨大な岩の上に建つメテオラ修道院群 2015年の国勢調査によると、ギリシャ共和国に占める正教徒(greek orthodox)の割合は90%です。ウィキの統計によると、ギリシャ国内の福音派は3万人、聖霊派も3万人位だとされていますので、全人口比(1080…

新約聖書はどのように旧約を用いているのか?(by E・アール・エリス)

目次 新約聖書解釈における諸前提 1.概要 2.歴史としての救済 3.予型論(Typology) 4.その他の諸前提 この章の文献目録

プラトン思想とキリスト教世界観(by ヴェルン・ポイスレス)

プラトン時代のアカデメイアを描いたモザイク画 目次 はじめに 言語との関連性 多と一(The Many and the One) キリスト教化されたプラトニズム 馬(horses)についてのキリスト者の見方 異文化間の普遍性と個別性 視点(Perspectives)

夕暮れ時に、光がある。

時として摂理は、ますます暗さを増していくように思われます。それはちょうど、落陽が黄昏(たそがれ)の闇の中に沈み溶け込んでいくかのようです。しかし、そういった自然の常とは反対に、そして私たちの憂いとは反対に、「夕暮れ時に、光があります!」(…

「組織神学」と「聖書神学」の結婚(by ヴェルン・ポイスレス)

目次 はじめに 歴史からの教訓 新しい定義 聖書神学に対する組織神学の影響 参考になる資料 文献目録

辞書というのは一体どれくらい客観性を持ち得るのでしょうか?

三木清「辞書の客観性」より 私がヴォルテールの『哲学辞書』を買つたのは、たしか大黒屋といふ本屋であつたと思ふ。これは京都ホテルの前にあつた洋書屋で、ホテルに来る外人が主な客であつたらしいが、現在はなくなつてしまつたやうだ。

多元主義と相対主義(by R・C・スプロール)

目次 高い仕切り壁 「多数から一つへ」から「多数から多数へ」 進化思想の興隆ーー19世紀 「進化」から「相対性」へーー20世紀 教会の中の多元主義 多元主義:キリスト教のアンチテーゼ 相対主義と中絶問題 誰が中絶する権利を与えているのでしょうか? …

神の不変性を想う(by ジョン・マクダフ)

John McDuff (1818-1895), The Immutability Of God(全訳) 「しかし、あなたは変わることがなく、あなたの年は尽きることがありません」(詩102:27)

なぜ「解放のミニストリー」によって人々はかえって束縛されるようになるのか――「霊の戦い」という世界観に対する警告(by ボブ・デウェイ)

目次 「解放のミニストリー」教役者としての日々 「霊の戦い」という世界観におけるエクソシズム(悪霊追い出し) 秘密の霊的法則 秘密の知識と解放 霊的「専門部隊」 摂理的世界観への転換 それではこれまでの自分の経験をどのように評価すればよいのか? …

脱構築(déconstruction)とキリスト教世界観(by ヴェルン・ポイスレス)

目次 はじめに 脱構築(déconstruction) 私たちの姿勢 フィールド・パースペクティブとしての脱構築 脱構築のモットー:『テクストの外部には何もない。』 脱構築のモットー:『作者の死』 脱構築のモットー:『シニフィエ(‟記号内容”)の繰延』 脱構築の…

「求道者にやさしい(Seeker-sensitive)」礼拝とプラグマティズム(by R・C・スプロール)

目次 プラグマティズム 関連記事および資料 プラグマティズムとマーケティング(ピーター・ドラッカーの経営学原理とSeeker sensitive教会) 補足:プラグマティズム前期の歴史 www.ligonier.org プラグマティズム アメリカ文化を形成してきた大半の諸哲学は…

山々を見、永遠性に心を馳せ、神の栄光を想う。(ジョン・マクダフ)

翠嶺(すいれい) John MacDuff, The Glory of God(全訳) ジョン・マクダフ(John MacDuff, 1818-1895)は、19世紀のスコットランドの説教者です。 「山々が生まれる前から、あなたが地と世界とを生み出す前から、まことに、とこしえからとこしえまであ…

季節の移り変わりと神の栄光

5月になり、若葉・新樹の光りは、夏らしい輝きをみせるようになってきています。 「夏めくや椎のかづきし雲のいろ 高橋潤」 春が終わりつつあります。さて、一つの季節が過ぎ去ってしまうことは私たち人間にとって憂いなのでしょうか。それとも歓びなのでし…

Κοινωνία(交わり)について

聖書のことばの世界は深く、広く、果てしなく拡がる海原のように思われます。「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた」(ヨハネ1:14a)。 私たちの神様はなぜ私たちに聖書をお与えになったのでしょうか。なぜ聖書はヘブル語やアラム語やギリシャ…

諸契約の成就者キリスト

美しい北海道の自然、苫小牧(写真) 諸契約の成就者キリスト (苫小牧福音教会 水草修治師)

公正さ(fairness)についての省察――隣人をより良く知り、より深く愛していくために。

ゴスペルフラ現象についての記事でお話しましたように、私は先日、アメリカ人の宣教師の方から、現代英語のredeem「贖う」は、(聖書的・狭義の用法だけでなく)もっと広義な意味合いでも使われる動詞でもあるということを教わりました。 翻訳者として、これ…

川の慰め――エミー・カーマイケルの信仰詩

時が時を数えつつ、二年という歳月が過ぎ、 人生の流れを共にした人が、 すべてを変える海の方へ 彼女の祖国へと急ぎながら 去っていった。 彼女は今も、私にとっての彼女自身でいてくれるのかしら? それは可能? 私の兄弟、私はあなたにとって、以前のまま…

ディスペンセーション主義者を理解する ⑫ いろいろな社会的要因(by ヴェルン・ポイスレス/ウェストミンスター神学大 新約学)

小見出し ダーウィニズムへの対抗 主観性への恐れ 解釈学的省察 「気づいていないこと」に対する気づき 恵みのみによる救い 社会的諸要因に対する評価(EVALUATING SOCIAL FORCES) 変遷する世の中で 政治情勢の変化 解釈における確実性 ある体系の中にいる…

ディスペンセーション主義者を理解する ⑩「千年王国と万物の成就を巡っての意見の一致と相違について」(by ヴェルン・ポイスレス/ウェストミンスター神学大 新約学)

小見出し 千年王国と万物の成就(THE MILLENNIUM AND THE CONSUMMATION) 関係改善の可能性(THE POSSIBILITY OF RAPPROCHEMENT) Vern Sheridan Poythress, Understanding Dispensationalists, Westminster Theological Seminary, PA, summer, 1986 (目次…

ディスペンセーション主義者を理解する ⑨「代表としてのかしら性」「キリストの十字架における二分法」(by ヴェルン・ポイスレス/ウェストミンスター神学大 新約学)

小見出し 代表的かしら性(REPRESENTATIVE HEADSHIP) キリストの十字架における二分法(DICHOTOMY AT THE CROSS OF CHRIST) 旧約聖書の聞き手による理解(UNDERSTANDING BY OT HEARERS) 「そういうわけで、ちょうどひとりの人によって罪が世界にはいり、…

ディスペンセーション主義者を理解する ⑧ 契約主義神学の中でのいくつかの進展(by ヴェルン・ポイスレス/ウェストミンスター神学大 新約学)

小見出し 契約主義神学内でのいくつかの修正(MODIFICATIONS IN COVENANT THEOLOGY) 贖罪的時代ないしは「ディスペンセーション(経綸)」(A VIEW OF REDEMPTIVE EPOCHS OR “DISPENSATIONS”) 「ねぇ、ぼくのヒヨコさん、各時代間における『有機的なつなが…

ディスペンセーション主義者を理解する ⑦ スコフィールド以後のいくつかの進展(by ヴェルン・ポイスレス/ウェストミンスター神学大 新約学)

『新スコフィールド・リファレンス・バイブル』(1967) Vern Sheridan Poythress, Understanding Dispensationalists, Westminster Theological Seminary, PA, summer, 1986 (目次はココです。) その後、いくつかの興味深い進展がディスペンセーション主義…

すべての真理は神の真理である。(by R・C・スプロール)

R.C. Sproul, All Truth Is God’s Truth(全訳) 自分の思考や精神に、消えることのない深い印象を刻みつけた著書というのが数冊あるが、その中の一冊が、The Metaphysical Foundations of Modern Science(「現代科学の形而上学的基礎」)だった。 50年以…

ディスペンセーション主義者を理解する ② 「ディスペンセーション主義者と非ディスペンセーション主義者が、互いの意見に耳を傾け合う」(by ヴェルン・ポイスレス/ウェストミンスター神学大 新約学)

Vern Sheridan Poythress, Understanding Dispensationalists,Westminster Theological Seminary, PA, summer, 1986, chapter 1 (目次はココです。) これまでディスペンセーション主義の正誤を明かそうと多くの著述がなされてきました。そういった弁証・反…