巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

教父学(Patristics)

三位一体は人間の思索の根本的な成立条件であり、また終局である。(V・ロースキィ)

目次 三位一体は人間の思索の根本的な成立条件であり、また終局である。 東西の三位一体論の違い――東方は「三」から「一」へ。西方は「一」から「三」へと思索を展開する。 東方の三位一体論――「父は三位に共通な神性の源泉であって、子と霊を生む」という教…

祈りについて(聖ヨハネ・クリュソストモス)

祈りと言う時、私が意味しているのは口から発せられることばだけでなく、心の芯奥から湧き出てくるものをも指しています。深く根を張った樹々が嵐に害されたり根こそぎにされたりしないように、心の奥底という深い根から汲み出される祈りというものもまた、…

「永遠の哲学」(Perennial philosophy)、新プラトン主義【ニューエイジ、エキュメニズム運動の思想源流】

東方正教会のデイビッド・P・ハリー氏がPerennial Philosophy vs Logos Spermatikos(永遠の哲学 vs ロゴス・スペルマティコス)という講義の中で、現代のニューエイジ、エキュメニカル運動等の思想系譜を概説しています。

私の誤信の主原因は、Ordo Theologiaeの乱れと逆転にありました。

茉莉花(まつりか) 目次 振り返りと見直し 【補足】Essence(ウーシア、本質)とEnergy(エネルゲイア)の区別ーーウラジーミル・ロースキイ 振り返りと見直し なぜ初めの一千年期の教義史や教父文書を学び始めたプロテスタント信者の大半が、早かれ遅かれ…

訂正とお詫び(オリゲネスに関する翻訳記事について)

FirstThings誌に掲載されたデイビッド・ベントリー・ハート氏のオリゲネス論("Saint Origen")を以前、本ブログにて翻訳掲載いたしました。オリゲネスは一般に評価の難しい人物ですが、教会は諸公会議を通し、実に何百年という歳月をかけ、オリゲネス問題に…

日々死にゆくように生を生くるなら、我々は罪を犯そうとはしないだろう。—聖大アントニウス(3世紀)

出典 Μέγας Αντώνιος, Ευεργετινός Α΄, σελ. 58(拙訳) 「日々死にゆくように生を生くるなら、我々は罪を犯そうとはしないだろう。毎朝、目を覚ましたら、その日の夕はないだろうと思いなさい。そして夜、床に就く際にはもはや目を覚ますことはないだろうと…

福音主義クリスチャンと聖母マリア(Θεοτόκος)(by ロバート・アラカキ)【後篇】

【前篇】からの続きです。 出典 目次 マリアの処女性——聖書的立証 マリアの永続的処女性—神学的角度 祈りのパートナーとしてのマリア プロテスタンティズムの心の傷跡(Protestantism’s Emotional Scars) 正教の方へ漕ぎ出す 「聖書のみ(Sola Scriptura)…

福音主義クリスチャンと聖母マリア(Θεοτόκος)(by ロバート・アラカキ)【前篇】

出典 目次 福音主義クリスチャンにとっての最大のハードル 聖書の中のマリア マリア——全ての福音主義者にとっての母 典礼の中におけるマリア 全地公会議(The Ecumenical Councils) マリアとイコン

列車の中の神学——マルチ信仰談義【シリーズ③ 教導権について】(by マイケル・ロフトン)

【シリーズ① 永遠の刑罰について】【シリーズ② 聖書正典について】からの続きです。 出典 Michael Lofton, Theology on a Train: A Multi-Faith Dialogue, Jan, 2019(拙訳) 教導権(Magisterium)について 東方正教徒:私やオリエンタル正教の友は、あなた…

ある求道者とローマ・カトリック信者の会話【教皇制に関するディスカッション】

Erick Ybarra vs. Jay Dyer: The Papacy Debate, Aug, 2019.(抄訳) ブラッドリー・ペリー:私はかなりの期間、ジェイ・ダイアーの講義を聞き、且つ、現在、東方正教について調べています。正教よりはローマ・カトリシズムについてより知識があるのですが、…

崇拝(latria)と崇敬(dulia)の区別【イスラム圏改宗者たちとのディスカッション】

Worship: Latria, Hyperdulia And Dulia | Catholic Apologetics Research Center 先日、クリスチャンになったばかりの元イスラム教徒(シーア派)の女性二人と食卓を囲み楽しく語り合う機会がありました。

アタナシウス・シュナイダー司教、パチャママ偶像礼拝を公開書簡にてストレートに糾弾。(by スティーブ・スコエッツ)

パチャママ偶像をかつぎ聖堂に運び込むシノドス司教たち (出典) 目次 アタナシウス・シュナイダー司教、「パチャママ偶像礼拝」を公開書簡にてストレートに糾弾。(by スティーブ・スコエッツ) アタナシウス・シュナイダー司教の公開書簡全文〔英文〕 段落 …

伝統と暗黙(Tradition and Tacit)ーーアンドリュー・ラウス、ダラム大学

神秘、伝統、、わがたましひは黙してただ神をまつ。(出典) 目次 はじめに アンドリュー・ラウス著「伝統と暗黙」 「伝統」を巡るカトリックとプロテスタントの論争 交わり(fellowship; κοινωνία) 典礼(liturgy) 発話を超える事実ーーthe inarticulate…

ああ、翼にのり、深遠な御言葉の高みに昇ることができたならーー「主の祈り」の黙想(ニュッサの聖グレゴリウス、4世紀)

聖ソフィア大聖堂のイコン(出典) Πάτερ ἡμῶν ὁ ἐν τοῖς οὐρανοῖς· ἁγιασθήτω τὸ ὄνομά σου· ἐλθέτω ἡ βασιλεία σου· γενηθήτω τὸ θέλημά σου, ὡς ἐν οὐρανῷ καὶ ἐπὶ τῆς γῆς·(マタイの福音書6章9-10節)

神の天的な礼拝にのぞむ(by グレッグ・ゴードン)【初代教会の霊性と慣習】

フラ・アンジェリコ画(出典) 目次 神の天的な礼拝にのぞむ 両手をかかげ、天を仰ぎ祈る 初代教会の典礼の様子 「アーメン」という言葉の重要性と意味について 被り物を着け、礼拝にのぞむ 日々、キリストの死を告げ知らせる 神の聖なる人々 聖体拝領、バプ…

砂漠の教父およびキリスト教史の中にみる共同体(by グレッグ・ゴードン)

聖アントニウス(251-356)出典 Greg Gordon, The Desert Fathers and Communities In Church History(拙訳) 心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、主なるあなたの神を愛せよ。ルカ10:27 紀元303年、初代教会に対する、…

ヘシュカスム論争に対するジョン・メイエンドルフの理解(アンドリュー・ラウス、ダラム大学)

聖グレゴリオス・パラマス(1296-1359) 目次 ヘシュカスム論争に対するジョン・メイエンドルフの理解(アンドリュー・ラウス、ダラム大学) 知的プラトン主義、新プラトン主義 異なる禁欲主義理解 メイエンドルフのパラマス解釈に対する諸批判 【…

宗教改革者たちとトマス・アクィナスーーカール・トゥルーマン教授へのインタビュー【改革派内での新しい動き】

出典 目次 トゥルーマン教授の微妙な位置 ルターの信仰義認論、「パウロ研究による新しい視点」 聖書の正典問題 「教皇制のプラグマティズム」 宗教改革者たちとトマス・アクィナス

ポール・L・ガヴリリュク著「ハルナックの『ヘレニズム化されたキリスト教』か、それともフロロフスキーの『聖なるヘレニズム』か?」レビュー

目次 著者ポール・L・ガヴリリュク氏について 二つの対極的見解 ハルナックの「ヘレニズム化/堕落」説に対する批評 フロロフスキーの「キリスト教ヘレニズム」に対する批評 おわりに

トマス・アクィナスの解釈学とプラトン主義的伝統(by ピーター・クリーフト 、ボストン大学)

出典 目次 「聖書」と「自然」ーー二つの書 「聖書および自然は、signで溢れている」 脱構築主義との対照 アナロギア(類比) 創造(Creation)

トマス・アクィナスと正教ーーマークス・プレステッド著『Orthodox Readings of Aquinas』書評(by アンドリュー・ラウス、ダラム大学)

聖トマス・アクィナス(出典) www.firstthings.com Andrew Louth, The Dumb Ox and the Orthodox: A Review of Orthodox Readings of Aquinas by Marcus Plested, First Things(抄訳) Marcus Plested, Orthodox Readings of Aquinas, Oxford University P…

神的闇(Divine Darkness)

至高なる三一なるもの、 あらゆる本質、 知識、 善を超越しているもの、 神的智慧への先導者よ、 汝の神秘的知という最高峰へと われわれの道を導きたまえ。

東方の文脈で「scholastic...」という表現がなされる時、それは具体的に何を意味しているのだろう?【東西キリスト教と理性】

東方正教のビザンティン学者であるアンドリュー・ラウスが「アクィナスと正教の関係」について書評を書いており、大変興味深く読ませていただきました。

「字義通りの解釈」という思想と、人間観(anthropology)の考察

実験室(出典) 19世紀に英国で興ったディスペンセーショナリズムというプロテスタントの一潮流があります。 ディスペンセーショナリズムは、当時猛威を振るっていたキリスト教リベラリズムに対抗する敬虔運動としての肯定的側面を持っている一方、その聖…

レジナ・チェリ(復活祭の聖母賛歌)【グレゴリオ聖歌】

出典 「壮麗にして天的なはしため、聖女、妃よ、私をあなたの翼の下にかくまってください。破壊の扇動者であるサタンが私の上に君臨しないために。そして邪悪な仇が私に対して勝利を勝ち誇らないために。」シリアの聖エフレム、4世紀

福音主義者と権威の危機(by ブライアン・クロス、マウント・マースィー大学)

Bryan Cross, Evangelicals and the Crisis of Authority, 2009(拙訳) ジム・トンコヴィチが「福音主義者と権威の危機*1」と題する優れた論考を書いています。この記事は、ホモセクシュアリティーおよび学問の自由を巡って現在、カルヴィン・カレッジが通…

女性司祭?(by ジミー・エイキン)【教父学及び公会議研究】

目次 女性司祭問題に対する教会(Church)の回答 教父および公会議文書の証言 リヨンの聖エイレナイオス(紀元189年) カルタゴのテルトゥリアヌス(紀元200年) ローマの聖ヒュッポリトゥス(紀元215年) ディダスカリア(紀元225年) カエサリ…

荒野の美のただ中で(♪ In the midst of desert beauty)

私は一つのことを主に願った。私はそれを求めている。私のいのちの日の限り、主の家に住むことを。主の麗しさを仰ぎ見、その宮で思いにふける、そのために。詩篇27:4(出典)

あゝ、歴史的典礼はなんと美しく、深く、躍動的であることでしょう!

The Rorate Caeli Mass〔ローマ典礼〕(出典) 「過去の歴史をもってキリストは、彼の秘跡において、時を旅する途上にあります。私たちはその出来事に取り込まれました。その出来事は一方で、過ぎ去る時を乗り越え、教会の秘跡執行において、私たちの間に現…

カンタベリーからローマへの軌跡ーーテーラー・マーシャル師(元聖公会司祭)の信仰行程

目次 「テーラー、地獄に落っこちちゃうよ。」 御言葉を通しての救い ヨハネ・パウロ二世ーー反キリスト? 信仰と理性の和合 アングリカン司祭になる 教皇が死んだ! 私にローマを指し示した一人のラビ カンタベリーからローマへの行路 訳者によるエピローグ