巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

懐疑のただ中で信じる

教理的シフトゆえに牧師廃業に追い込まれた ‟落伍者” に注がれている主の憐れみーージェイソン・スティールマンの霊的旅路

出典 2018年8月26日記事の再掲載です。教義や教派問題で葛藤し、あるいはなんらかの事情で教会に躓いてしまい、現在、どこにも信仰共同体や共感し合える仲間を見出すことができずにいる方々にとってこの記事が励ましとなりますように。苦しみの只中に…

ハーバード大、史上初の無神論者チャプレン選出。(by ロバート・バロン司教)

出典 Robert Barron, Catholic bishop: Harvard jumped the shark with atheist ‘chaplain,’ New York Post, Aug, 2021(拙訳) ハーバード大学が史上初の無神論者のチャプレンを選出したというニュースがたった今飛び込んできました。「えっ、無神論者のチ…

原理主義でもない、懐疑主義でもない、リベラル主義でもないポスト近代における公同的伝統キリスト教への展望【ジェームズ・K・A・スミス選集】

目次 痛みと傷からの再生――原理主義でもない、イマージング風リベラル主義でもない公同的キリスト教への模索と探求(回想) 著書『どうしたらセキュラー(secular)にならないでいることができるか?ーーチャールズ・テーラーを読む』【インタビュー】 公共…

探求の過程で生じる「懐疑」をどう取り扱えばいいのだろう?――霊的脱構築と信仰サバイバル

出典 目次 分かち合い1 分かち合い2 分かち合い3 光の方向に向かい闇の中を進みつづける信仰

驚くばかりの恵みなりき――「恵み」再発見の旅

出典 昨日の説教箇所は第二コリント12章の「わたしの恵みはあなたに十分である」という箇所でした。私の通っている修道会所属のギリシア正教会では、説教は領聖(聖体拝領、聖餐)の直前になされます。

教派問題でノイローゼ気味になっている方への気分転換用ショート・コメディ

下のコメディー・ショートclipで演じているロフトン師は、硬派ディスペンセーション主義の信奉者(The International Christian Embassy Jerusalem; ICEJ)だった両親の元で生まれ、2歳の時、家族でイスラエルに移住します。4歳で両親が離婚、ロフトンは母…

「兄弟たちよ!教会の使徒的信仰を擁護すべく果敢に声を挙げてください。」――トボリスクの主教、殉教者聖エルモゲネスの書簡

出典 トボリスクの主教であり、ボルシェビキ政権により投獄され殺害された致命者聖エルモゲネス(1858-1918)。以下の文は、殉教前に信徒たちを激励すべくしたためた小冊子からの翻訳引用です。(出典)

神への暴力と対等主義的ユートピア【ソビエト集団主義化する進歩的キリスト教】

「進歩の理論はあらゆる人間的世代、あらゆる人間的人格、あらゆる歴史的時期を、終極の目標に対する一個の手段、一個の道具に変えてしまう。。進歩の宗教は死の宗教であって、復活の宗教でない。永遠の生のために生きとし生けるものを復活させる宗教でない…

虚無主義者について(by セラフィム・ローズ 修道士)

この世におけるすべては過ぎ行く——。残るはただ神のみ。生涯をかけ欣求するに値するは唯一、この神のみである。 セラフィム・ローズ修道士

列車の中の神学——マルチ信仰談義【シリーズ④ 倫理性について】(by マイケル・ロフトン)

【シリーズ① 永遠の刑罰について】【シリーズ② 聖書正典について】【シリーズ③ 教導権について】からの続きです。 出典 Michael Lofton, Theology on a Train: A Multi-Faith Dialogue, Jan, 2019(拙訳) ルーテル派信者:確かに私たちは教義上の諸問題を抱…

列車の中の神学——マルチ信仰談義【シリーズ③ 教導権について】(by マイケル・ロフトン)

【シリーズ① 永遠の刑罰について】【シリーズ② 聖書正典について】からの続きです。 出典 Michael Lofton, Theology on a Train: A Multi-Faith Dialogue, Jan, 2019(拙訳) 教導権(Magisterium)について 東方正教徒:私やオリエンタル正教の友は、あなた…

列車の中の神学——マルチ信仰談義【シリーズ② 聖書正典について】(by マイケル・ロフトン)

【シリーズ① 永遠の刑罰について】からの続きです。 出典 Michael Lofton, Theology on a Train: A Multi-Faith Dialogue, Jan, 2019(拙訳) 聖書正典(The Canon of Scripture)について 無神論者:ほほぅ、あなたがたは同じ聖書を用いているにもかかわら…

列車の中の神学——マルチ信仰談義【シリーズ① 永遠の刑罰について】(by マイケル・ロフトン)

Michael Lofton, Theology on a Train: A Multi-Faith Dialogue, Jan, 2019(拙訳) キャストと設定 永遠の刑罰について

「折衷的」越境は可能かな?ーー国境地帯での友との対話。【カトリック、正教、プロテスタント】

目次 正教会の結婚と避妊の教え 宣教の働きにおける福音主義について 「折衷的」であることをめぐって 理論と現実のギャップと不調和 「教会」を信じるか、あるいは懐疑主義か 過激派弁証家たちのレトリックに翻弄されないために 正教改宗の可能性と折衷性

神の主権と伝統諸教会の「暴力・戦争」の歴史をめぐってーー保守メノナイト派ディーン・テーラー師とのディスカッション

出典 保守メノナイト/フッタライトのディーン・テーラー師一家が昨日、アテネに来られ、良い交わりとディスカッションの時を持つことができました。

革命ーー社会主義『ドストエフスキーの世界観』(by ニコライ・ベルジャーエフ)

出典 ベルジャーエフ著作集第二巻『ドストエフスキーの世界観』(斎藤栄治訳)白水社より一部抜粋 ドストエフスキーは、天才的な透視的眼光をもって、きたるべきロシア革命の、おそらくはまた世界革命の理念的基礎と性格とを悟った。彼は、言葉の最も真実の…

著書『どうしたらセキュラー(secular)にならないでいることができるか?ーーチャールズ・テーラーを読む』【ジェームス・K・A・スミス教授へのインタビュー】

A Conversation with James K. A. Smith, 2014(抄訳) インタビュアー:最近の新刊書についてお話ください。 ジェームス・K・A・スミス:『How (Not) To Be Secular: Reading Charles Taylor(どうしたらセキュラーにならないでいることができるか?ーー…

私の辿ってきた道ーーライサ・マリタンの信仰行程

Raïssa Oumansoff Maritain (1883-1960). ロシア生まれのユダヤ人カトリック女性思想家。十歳の時、家族と共にフランスに移住。ソルボンヌ大卒。哲学者ジャック・マリタンの妻。

私の辿ってきた道ーーローレンス・ファインゴールド師の信仰行程

出典 目次 無神論者の家庭に生まれる 美術史の教授との出会い キリスト教美術の世界 石像の研究でイタリアへ 「生きていくのがしんどい。もう生きたくない。」 初めてのミサ カトリックか、プロテスタントか ジョン・ヘンリー・ニューマン カトリシズムのユ…

懐疑主義を乗り越える。ーー21世紀キリスト教弁証と聖トマス・アクィナス

...トマス・アクィナスは、キリスト教信仰と理性の間には自然な調和があることを示しました。これこそがトマスの偉大な業績です。トマスは、二つの文化が出会った時代に(当時、信仰は理性の前に降服しなければならないように思われていました)、二つの文化…

ジョーダン・ピーターソンとサム・ハリスの対談をきいて(by ロバート・バロン司教)

ジョーダン・ピーターソン(左)とサム・ハリス(右)出典 目次 ピーターソンとハリス ハリスの宗教批判 二つの極端 ピーターソンの宗教観 現代におけるカント的アプローチの復興 おわりに

聖書正典(biblical canon)の問題と福音主義(by ダグラス・M・ボウモント他)【後篇】

【前篇】からの続きです。 出典 目次 聖書正典のための基準(criteria) プロテスタントの懸念 霊感 使徒性 霊的証言 正統性 自己証明(Self-Attestation) 神の民による受容 キリスト教伝統 摂理、それともパワー・プレイ? おわりに

キリスト教正統性の問題と福音主義(by ダグラス・M・ボウモント他)【その3】

【その1】【その2】からの続きです。 十二使徒と教会(出典) 目次 教会(Church)が正統性を決定した。 主は私たちに「書物」を残したのではなく「教会」を建てられた。 一番目の点 二番目の点 三番目の点 四番目の点 人間に対する神の御配慮と教会

「実存的」無神論者と神への欣求(by セラフィム・ローズ、ロシア正教修道士)

出典 無神論ーー一見したところ不正にして無慈悲にみえる神に対する憎悪心に燃えた真の‟実存的”無神論ーーは、一つの霊的状態である。それは、真の神を捉えんとするリアルな苦闘である。自らをアンチクリストと呼んでいたニーチェは、それにより、キリストに…

私の辿ってきた道ーー元無神論哲学者ランダ・チェルヴィン女史の信仰行程【後篇】

【前篇】はココです。 目次 ヒルデブラント夫妻との出会い フォーダムの大学院にて ヨーロッパでの夏季講習 奇跡 転換点 永遠へのルート

私の辿ってきた道ーー元無神論哲学者ランダ・チェルヴィン女史の信仰行程【前篇】

Ronda Chervin, Ph.D.(1937-) 目次 特異な家庭に生を受けて 「愚鈍な」祖母の祈り 両親の離婚 初めて聴いた聖なる音楽 近所のカトリックの子たち 人生の目的 サルバドール・ダリの絵画 G・K・チェスタトン、カール・アダム等を知る ダリの「最後の晩餐」

前提主義(presuppositionalism)ーー懐疑主義の上に構築された信仰主義(by ブライアン・クロス、マウント・マースィー大学)

前提主義者は、上記の循環論法に対し、どのように答えるのか?ーー無神論者たちからの挑戦(Atheism siteより)___________________________ 目次 前提主義(presuppositionalism)の問題の所在 「存在の秩序」と「認識の秩序」ーーアリストテレスの区分 デ…

改宗という文脈の中における「信仰」と「理性」ーー元無神論者デヴィン・ローズ師の証し

ローズ家の人々(出典) 目次 キリスト教棄教者の家庭に生まれる 神を信じようと ‟トライ” してみる 福音主義プロテスタントの友人たちに質問する バプテスト信者になる この分裂状況をどのように考えればいいのだろう? 聖書正典は66巻か、それとも73巻…

恩寵の光ーーユダヤ人男性チャールズ・ライヒの信仰行程

目次 ハシディーム派の家庭に生まれる シナゴーグでの祈りの生活 ニューヨークへ移る。信仰を失う。 絶望 教会の会堂 恩寵の光 天のふるさとを待望しつつ

無神論ーーキリスト教的創造信仰の一つの変形

「ガリレオは、有名なことばを残しました。神は二つの書物を書いた、その一つは言うまでもなく聖書である。もう一つは自然そのものだ、というのです。自然という神の書かれた書物を、一ページ一ページ読んでいくことがいかに信仰にとっても大切なことと考え…