巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

意味論(Semantics)

聖書神学運動の興亡(by バルナバ・アスプレイ、ケンブリッジ大 解釈学)【悩めるグランパたちへの応援記事】

ふ~、変化が著しいなぁ。。 目次 はじめに 1.その誕生と目標 2.いくつかの諸問題 問題点その1 問題点その2 問題点その3 そして、、最大の問題点は。。 3.結論ーーここからさらに前進していく 文献案内

用語の再定義、BOBO理論、「ヘレニズム的思考」によって汚染された正典、「ヘブライ的思考」 のレンズ。【ヘブル的ルーツ運動(HRM)検証】

レンズの種類によって客体が違って見えるんだね。(中性密度と偏光子)出典 目次 用語の再定義 BOBO理論の登場 「ヘレニズム思考」に汚染された西洋教父たちにより編纂された欠陥ある聖書正典!? 聖書を「ヘブライ的思考」のレンズおよびヘブライ語を通して…

いかなるプロセスを経て「イエシュア=生けるトーラー」という教義が形成されていくのか?【ヘブル的ルーツ運動(HRM)検証】

ヘブル的ルーツ運動(HRM)のサイトより(出典) 目次 「イエシュア=生けるトーラー」という教理の決定的ジレンマ 訳者補足ーー意味論の領域における再解釈の試み תורה (Torah)とは?(『牧師の書斎』サイト収録文献より引用) 上の引用文に対する訳者の所…

「新約聖書のヘブル的解釈」「イエシュア=生けるトーラー」等の考え方をバックアップしている思想的背景について

あらゆる新運動にはそれを支える神学があり、思想がある。 目次 『牧師の書斎』に収録されている文書群より 要点 考察1 依拠している解釈法について 考察2 言語における慣習性について 考察3 「イェシュア=生けるトーラー」 まとめ 【補足資料】「日本福…

新約聖書ガラテヤ書 2:16 およびローマ書 3:22 における "πίστις Ἰησοῦ Χριστοῦ"の日本語翻訳検証(関智征氏論文)【「イエス・キリストの信」/主格的属格説】

出典 目次 はじめに 1.語義、文法、および解釈史の考察 1.1. 語義的考察 a) 古典ギリシャ世界での語義 b) 旧約聖書(七十人訳聖書)の語義 c) 初期ユダヤ教文献における語義 1.2 文法的考察 1.3. 解釈史 a) 伝統的な解釈 b) 主語的解釈の主張 c) faith in …

「聖書のみ」というプロテスタント教理に対するクリティカルな論考のご紹介

目次 はじめに 第五章「聖書のみ」その前提 序 「充分」とは言うが、どのように充分なのか 新しい考え方 自己確証される正典 (カノン) 聖書による聖書の解釈 「虎の巻 (answer book)」としての聖書 思想としてのキリスト教

日曜日の「字義性」と、平日の「メタファー」の相剋をどうすればいい?ーー大学生のみなさんへの応援レター

目次 はじめに 一つの懸念 世界観の相剋 「時代精神に抵抗すること」と、「時代の子である」という二つの事実 「字義性」と大学生活ーー花子さんのケース キリスト教世界観の中における言語観を求めて

なぜ解釈学を学ぶのか?(アンソニー・C・ティーセルトン、ノッティンガム大)

Anthony C. Thiselton, Hermeneutics: An Introduction, chapter 1, sec.1. Toward a Definition of Hermeneutics(拙訳) 解釈学は、私たちがいかにテキストを読み(特に自分たちとは時間や生活の文脈を隔てたところで書かれたテキストを取り扱う際)、理解…

教会の都市名の「語源」と教会の「状態」を連結させる誤謬ーー黙示録2-3章の「7つの教会」釈義について(by ニゲル・トムス)

出典 目次 7つの教会とウィットネス・リーの解釈 ラオデキヤーー「悪魔的に」堕落した教会内の民主主義?

黙示録2章のニコライ派に関し一般に信じられている〈神話〉についてーー「語根にかかわる誤謬(root fallacy)」の事例

ニコライ派ーーキリスト教内における権力とコントロール(ヘブル的ルーツ運動に関与するMidrash Monthlyのサイトより)Nicolaitan | Midrash Monthly 目次 はじめに 初代教会の証言 現代の実例 結語 〔一次資料〕ニコライ派に関する古代および中世文献 〔補…

言語学者たちの語彙的誤謬について(by ダニエル・B・ウォーレス、ダラス神学校 新約学)

ソシュールは,言語変化を研究する「通時的な(diachrony)」言語学と,ある時点における言語の状態を研究する「共時的な(synchrony)」言語学を峻別することを主張した.ソシュールによれば,この2つの観点はまったく相容れず,完全に対立するものである.…

言語における慣習性(conventionality)ーー「ヘブライ的思考 vs ギリシャ的思考」という教説の問題点について(by アンソニー・ティーセルトン)

トーレイフ・ボーマン著『ヘブライ人とギリシヤ人の思惟』(新教出版社)(原題:Hebrew Thought Compared with Greek) ヘブライ語の歴史ーー「抽象」と「具体」(ジェフ・A・べンナー氏の教説) Anthony Thiselton, 'Semantics and New Testament Interpre…

2テサロニケ2:3は、「教会の携挙」のことを言及しているのでしょうか?ーー「アポスタシア」の意味解釈について(by ゲイリー・ショーグレン、ウィリアム・W・カムズ)

目次 ゲイリー・ショーグレン師の論考〔邦訳〕 ウィリアム・カムズ師の論考〔英文〕 はじめに 2テサロニケ2:3の文脈 ラプチャー見解の歴史 ラプチャー見解における幾つかの訴え ①より初期の英語訳に訴える ②ἀποστασίαの意味 ③文脈的議論 結語

過度の単純化/還元主義/誤前提から生み出される解釈的弊害を避けるために①ーー「ヘブライ的思考」「ギリシャ的思考」に関する考察(ミラード・エリクソン『キリスト教神学』)

「ヘブライ的思考 vs ギリシャ的思考」ーー代表的な「ヘブル的ルーツ運動」の団体119Ministriesの教えより Millard J. Erickson, Christian Theology, Part 5. Humanity, sec. 23. The Constitutional Nature of the Humanより(抄訳) 非常に重要かつ影響力…

聖書の神的意味に関する考察(by ヴェルン・ポイスレス、ウェストミンスター神学校)

私の目を開いてください。私が、あなたのみおしえのうちにある奇しいことに目を留めるようにしてください。詩篇119:18 私は主を待ち望みます。私のたましいは、待ち望みます。私は主のみことばを待ちます。詩篇130:5 目次 はじめに 第1章 神的意…

新約聖書の中における意味変化について(by モイセス・シルヴァ、ゴードン・コーンウェル神学大)

目次 意味的保守主義による変化 意味刷新による変化 ①省略(Ellipsis) ②メトニミー(換喩・転喩, metonymy) ③メタファー(隠喩, metaphor)

神が比喩的に語られるとき(by ヴェルン・ポイスレス、ウェストミンスター神学校)

春陽のかがやき。さあ、神の創造された〈ことば〉の草原を元気いっぱい駈け巡ろう! 目次 神からの贈り物としての、言語の持つあらゆる能力 比喩的表現を識別する 「文字通り/字義的」と「比喩的」を共に受け入れる

「この聖書テキストには果して『意味』があるのだろうか?」ーーケヴィン・ヴァン・フーザーの著書レビュー(by ヴェルン・ポイスレス、ウェストミンスター神学校)

Vern Poythress, Review of Kevin Vanhoozer’s Is There A Meaning In This Text? in Westminster Theological Journal 61/1 (1999) 125-28. (拙訳)

聖書信仰のクリスチャンはチョムスキーの生成文法をどのように評価すべき?(by ヴェルン・ポイスレス)【大学生の皆さんへの応援記事 その2】

目次 訳者はしがき 構造言語学、アメリカに上陸 ノーム・チョムスキー、突如としてアメリカ言語学界をひっくり返す 日本語訳聖書にも影響しているチョムスキー理論 一極集中の人になろう チョムスキー革命 厳密さと形式化にともなう代価 核文と非核文との間…

論理実証主義とその亡霊たちーー類比的な言語の使用について(by R・C・スプロール)

目次 「類比的な言語の使用」ーー有神論を否定する人々によって攻撃にさらされている原則 神を知り、神について何かを言明することは可能なのか? いかにしてラディカルな懐疑主義が形成されるに至ったのか? 神の超越性と内在性 振り子が振り切れる 神につ…

聖書信仰のクリスチャンは、ソシュールの構造言語学をどのように評価すべき?(by ヴェルン・ポイスレス)【大学生の皆さんへの応援記事】

目次 訳者はしがき 〔記事①〕20世紀における思想の一大転換の流れを掴む 「歴史」から「構造」へ 文化的変遷 構造の研究 旧き挑戦、そして新しき挑戦 〔記事②〕ソシュールの構造言語学について 構造言語学における単純化 フェルディナンド・ソシュール(Fe…

組織神学で使われている「術語」は、ほとんど常に一通り以上の定義づけが可能であり、各術語は、それを含む素性の中で「選択的」である。(by ヴェルン・ポイスレス)

目次 「術語」 術語としての "faith"の例 一つの錯覚

聖書のどの語も、組織神学で使われている「術語」と100%イコールではない。(by ヴェルン・ポイスレス)

目次 聖書の中の言葉と「術語」 実例①チャールズ・ホッジ 実例②ヘリット・コルネーリス・ベルカウワー 人間言語と神のご配慮

なぜ聖書を真剣に学ぶ人々は、自分の使う言葉や用語について意識的になる必要があるのか?(by ヴェルン・ポイスレス)

目次 言語は、世界に対し100%透明というわけではない ジェームズ・バーの挙げている6つの代表的誤謬 実例①ルイス・ベルコフ 実例②カール・バルト

聖書のワード・スタディーをする際に注意すべき事:その⑯ 意味と指示(reference)との間の根拠なき連結(by D・A・カーソン)

D.A.Carson, Exegetical Fallacies, Chapter 1. Word-Study Fallacies, p.25-66(拙訳) 小見出し 意味と指示について 事の核心点:文脈に対処する

聖書のワード・スタディーをする際に注意すべき事:その⑮ 言語資料の際立った特徴点を、根拠なく軽視する(by D・A・カーソン)

D.A.Carson, Exegetical Fallacies, Chapter 1. Word-Study Fallacies, p.25-66(拙訳) "to justify"(義とする)という意味で、パウロがδικαιόωを用いており、"justification"(義認)という意味でしばしば δικαιοσύνηを用いているという理由で、多くの学…

聖書のワード・スタディーをする際に注意すべき事:その⑭ ギリシャ語新約聖書のセム語的背景に関する諸問題(by D・A・カーソン)

使徒パウロ D.A.Carson, Exegetical Fallacies, Chapter 1. Word-Study Fallacies, p.25-66(拙訳) この表題の下には、おそらく一グループとして括ることのできる、数多くの困難な問題および、それに付随する数々の誤謬が潜んでいます。

聖書のワード・スタディーをする際に注意すべき事:その⑬ 拡大された意味領域を、根拠なく採用する(by D・A・カーソン)

積み荷しすぎて苦しいよぉ~。 D.A.Carson, Exegetical Fallacies, Chapter 1. Word-Study Fallacies, p.25-66(拙訳) 本ケースにおける誤謬の原因は、ある特定の文脈における単語の意味が、文脈それ自体の許容範囲よりもずっと広いと思い込み、また、おそ…

聖書のワード・スタディーをする際に注意すべき事:その⑫ 意味領域に対する根拠なき制限(by D・A・カーソン)

広域的ひろがり・・・ D.A.Carson, Exegetical Fallacies, Chapter 1. Word-Study Fallacies, p.25-66(拙訳) 小見出し 単語のトータルな意味領域の広さ boardの事例 広大な意味領域をもつεἰμί "This is my body" ヨハネ1:1「ことばは神であった」

聖書のワード・スタディーをする際に注意すべき事:その⑪ 「あれかこれか?」:根拠なき意味の選言/分離および制限(by D・A・カーソン)

あれか、これか D.A.Carson, Exegetical Fallacies, Chapter 1. Word-Study Fallacies, p.25-66(拙訳) 小見出し 意味の選言/分離(semantic disjunction)とは ヨハネ17:11のκαθώςについて