巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

国家と宗教 / 政治思想

フリーメーソンについて(教皇レオ十三世)

1917年10月、フリーメーソンのローマでの大パレード。「我々はカトリック教会を破壊する。サタンはバチカンを支配する。」出典 目次 フリーメーソンからの攻撃に立ち向かったコルベ神父 教皇レオ13世回勅『フマヌム・ジェヌス』 2つの王国 2つの愛と…

闇を照らす神の光と神の義ーー誰が教皇ベネディクト16世を「辞任」に追いやったのか?【ザンクト・ガレン・マフィア、マキャリック、ビガーノ書簡】

「ザンクト・ガレン・マフィア」とは何者か?*1(出典) 昨晩リリースされたジェームズ・グレイン氏の証言ビデオにより、「ザンクト・ガレン・マフィア」("Team Bergoglio"*2.)とマキャリック元枢機卿の間の相関関係に新たな光が当てられ、「ビガーノ書簡…

「周縁化」される神と、人間の「義」による恐怖政治ーーファシスト霊性の現代復興

恐怖政治(la Terreur;18世紀フランス)出典 正教会ワールドで現在、「ベール駆逐論*1」を説いているキャサリーン・ケライディス女史は、同じ情熱を持って「専業主婦無用論」をも説いています。 *1:

正教会ワールドで現在進行中の「ベール論争」についてーー個人的所感

出典 目次 ケライディス女史、口火を切る 新歴史主義的フェミニズム ギリシャ人正教徒が感じる白人改宗者たちへの違和感 「抑圧の象徴」としてのベール 例外その1ーーレザー・シャー・パフラヴィーのベール禁止令(1936年) 例外その2ーー反政府(武装…

「君だって同じじゃないか。カトリックの立場も結局『ソロ・スクリプトゥーラ』を免れていない。」という反論について(by ブライアン・クロス& ニール・ジュディッシュ)【その7】

「権威」というのはどこから来ているのだろう?(出典) 目次 全体の総目次 第5章.反論とそれに対する応答 A. 反論:「君だって同じじゃないか(Tu Quoque)。カトリックの立場も結局『ソロ・スクリプトゥーラ』を免れていない。」 カトリックとプロテスタ…

「国民教会(national church)」というものについて(by ジョン・ヘンリー・ニューマン)

オックスフォード時代のヘンリー・ニューマン(出典) 「英国国教会は、プロテスタント教会であり、それは宗教改革国家のために建てられた。それが国民教会である理由は、国民の大部分が、国家の意志に沿い修正していくことができるようような宗教をまさに望…

〈ローマ〉について(by G・K・チェスタトン)&「ロシアと普遍教会」(by ウラジミール・ソロヴィヨフ)

目次 〈ローマ〉について(G・K・チェスタトン) ロシアと普遍教会ーーロシア民衆の「真の正教」及び、アンチ・カトリック神学者たちによる「疑似正教」について(by ウラジミール・ソロヴィヨフ) ロシアと普遍教会ーーコンスタンティノープルやエルサレ…

試練と痛みの中にある東欧の兄弟姉妹のために共に祈ろう。【ウクライナ正教会を巡る宗教政治問題】

東欧の信仰者たちは迫害と動乱の中を懸命に生き抜いてきた。彼らに主の御加護があらんことを。(出典) 「もし一つの部分が苦しめば、すべての部分がともに苦しみ、もし一つの部分が尊ばれれば、すべての部分がともに喜ぶのです。あなたがたはキリストのから…

教会一致のしるしの体現者ーーキュリロスとメトディオス(9世紀)

キュリロス(右)とメトディオス(左) 目次 キュリロスとメトディオスの活動 教皇からの厚遇 スラヴ語典礼へのフランクの対抗措置 シルミウムの大司教メトディオス フランクとの確執で浮上した「フィリオクェ」 メトディオスの死 キュリロスとメトディオス…

ある修道士との対話から学んだこと

ΙΕΡΑ ΜΟΝΗ ΤΙΜΙΟΥ ΠΡΟΔΡΟΜΟΥ ΣΤΕΜΝΙΤΣΑΣ - Μοναστήρια της Ελλάδος 先日、ペロポネソス半島の山岳地帯にあるプロドロモス修道院を訪れました。直角にそそり立つ岩壁の中にある古い修道院です。何百メートルもの下には真っ青なルシオス川が轟々と流れており、…

「正統性」とは何だろう?

彼らは「何/誰」によって殺されたのだろうか? 出典 John Foxe, Foxe's Book of Martyrs, Chapter 16(抄訳)

西に向かおうか東に向かおうか?ーーローマ行きを検討している福音主義者への書簡(by クラーク・カールトン、東方正教会)

あれ、なんで道が二つに分かれてるんだろ?(出典) 目次 増加する福音主義出身の改宗者たち 正教と民族性重視主義(Ethnicism) 皇帝教皇主義(Caesaropapism)

教会的理神論(ecclesial deism)かぁ。う~ん、その論点は分かるけど、、でも、、【プロテスタンティズムと歴史観】

可視的教会の過去・現在・未来をどうみればいいのだろう。(出典) 元改革派で現在カトリックのブライアン・クロス教授は、モルモン教やプロテスタンティズム等に典型的にみられる歴史観および教会観のことを「教会的理神論 ecclesial deism」と呼んでおられ…

「今日、単にアカデミックな推論に過ぎないとみなされているものが、明日には、諸国の軍隊を動かし、帝国を投げ倒すようになるのである。(G・メイチェン)」ーーグローバル性革命と新しい全体主義【若い世代のクリスチャンへの激励】

ーグレシャム・メイチェン(1881-1937) フェミニスト神学者メアリー・デイリーの「人間として存在することーーそれは自己に命名し、世界に命名し、そして神に命名することである。」という言明を読んだ姉妹が、「こういった人々はすでに正気を失っ…

『共通祈禱(Common Prayer)』それとも筋書き通りの政治?(by カール・R・トゥルーマン、ウェストミンスター神学校歴史神学)【米国聖公会とジェンダー包括語問題】

「現時点ですでに人々は、『人間』に関するジェンダー用語を勝手に書き変える大胆不敵さを持っているのですから、今後は『神』に関するジェンダー用語さえも書き変えていくーーそういう大胆不敵さをも近い将来、発揮していくことになるのではないでしょうか…

戦争の祈り(マーク・トウェイン)

Mark Twain, The War Prayer, 1905(拙訳) その頃、国は興奮と歓喜に沸き立っていた。戦争がまさに進行中であり、人々の胸は愛国心という聖なる炎で燃え盛っていたのだ。

キリストの内にある民族間の真の和解ーーユダヤ人に主の愛を伝える元イラン革命防衛隊員ハンス兄の近況

出典 先週、元イラン革命防衛隊員ハンス兄の証しを掲載しましたが(ココ)、その後、彼から私たちに連絡があり、昨晩、電話でお話をうかがいました。

歴史小説『チューリッヒ丘を駆け抜けた情熱ーー迫害下に生きたスイス・アナバプテストの物語』後篇

出典 前篇からの続き 目次 第17章 獄中にいる兄弟たちからの手紙 第18章 二度目の挫折そしてフェリクス・マンツの脱獄 第19章 チューリッヒからの罰金徴収人派遣される 第20章 隠れ家での生活 第21章 ゾリコンの熱狂分子、騒ぎを起こす 第22章 …

歴史小説『チューリッヒ丘を駆け抜けた情熱ーー迫害下に生きたスイス・アナバプテストの物語』前篇

出典 著書名:Fire in the Zurich Hills 著者:Joseph Stoll 出版年:2010年 出版社:Pathway 日本語翻訳:著者ストール氏の許可を得た上で本ブログ管理人が訳しました。(2014年) 目次 第1章 ことの始まり 第2章 第一回公開討論会チューリッヒで…

日の下に新しいものは一つもない。ーー宗教プロパガンダと暴走する「神聖」列車

敬虔なるクリスチャンたちを乗せた列車が疾走している。 脇目もふらず、一心不乱に。 プロパガンダの旗がなびき、〈御用神学〉と〈宗教的熱心〉と〈盲目なる善意〉が一つに溶け合う。 おお愛する友よ!汝らもまた、古の街道をひた進むのか? 目次 一揆を起こ…

時代を徹底的に生き抜いた信仰者、南原繁ーー「ナチス精神とその世界観的基礎」および歌集「形相(けいそう)」より

天なるや日は照らせども現身(うつそみ)のわれのいのちの常なげくなり 繁 南原繁(なんばら しげる、1889-1974)。日本の政治学者。香川県大内郡南野村生まれ。1910年6月一高卒業。7月、東京帝国大学法学部に入学後、内村鑑三の薫陶を受け、…

「時代の教理」ファシスト的伝統(by G・エドワード・ヴェイス他)

「彼は愚かではなかった。完全な無思想性―――これは愚かさとは決して同じではない―――、それが彼をあの時代の最大の犯罪者の一人にした素因だったのだ。このことが〈陳腐〉であり、それのみか滑稽であるとしても、またいかに努力してもアイヒマンから悪魔的な…

マルクス主義/フェミニズムとキリスト教世界観(by ヴェルン・ポイスレス、ウェストミンスター神学校)

1920年7月、第2回コミンテルン大会(ペトログラードにて) 目次 マルクス主義とフェミニズム 贖罪プログラムに関し、彼らが提示しているもの 偽造化(Counterfeiting) マルクス主義者およびフェミニストの聖書批評 非人格主義的世界観(Impersonalisti…

宗教言語にナショナリズムが結びつく時

目次 「特別な」言語 〈唐芋〉標準語 国民国家形成と「言語」 「聖なる」諸言語とナショナリズムが結びつく時

多元主義と相対主義(by R・C・スプロール)

目次 高い仕切り壁 「多数から一つへ」から「多数から多数へ」 進化思想の興隆ーー19世紀 「進化」から「相対性」へーー20世紀 教会の中の多元主義 多元主義:キリスト教のアンチテーゼ 相対主義と中絶問題 誰が中絶する権利を与えているのでしょうか? …

教会の性質と目的――「教会」と「イスラエル」について(by ウェイン・グルーデム、ジョージ・ラッド他)

目次 ウェイン・グルーデム著「教会とイスラエル(The Church and Israel)」『組織神学』第44章 【追加資料】【歴史的プレミレ】ジョージ・ラッド著『終末論』(第2章 イスラエルについてはどうか。)より 【追加資料2】【歴史的プレミレ】ディスペンセ…

ローマ帝国の迫害とクリスチャン殉教者の信仰【後篇】

〔前篇〕からの続きです。 ディオクレティアヌス帝治下における迫害 さて、教会はローマ帝国による最後の大迫害に直面した。神は摂理的配慮によって、この迫害に耐え抜いた暁に教会の勝利を約束しておられたのであった。 ディオクレティアヌスは284年に即…

ローマ帝国の迫害とクリスチャン殉教者の信仰【前篇】

(執筆者:日本基督改革派南浦和教会牧師、日本基督神学校講師 泥谷逸郎師、情報源) われわれの祖国日本では現在、靖国神社を国家護持しようとする動きが盛んである。この動きに多少反対を試みたものとして、考えざるをえなくなる問題は、過去における日本…

宗教改革者たちの叫び(10)―ゲオルグ・ブラウロック(16世紀、スイス・オーストリア)

もしもプルータルコスの『対比列伝』の16世紀ヴァージョンを作れるとしたら、私はスコットランドのジョン・ノックス(改革派)と、スイスのゲオルグ・ブラウロック(再洗礼派)を一組にして列伝したいです。どちらも豪健かつ勇敢な巨漢であり、性格的にも…

宗教改革者たちの叫び(5)ーフェリクス・マンツ(16世紀、スイス)

(溺死させられる直前に) 「〔幼児洗礼ではなく〕我々が教え、実践してきたこのバプテスマこそ、イエス・キリストおよび聖書の教える洗礼であることを、今日、私は、自分の死をもって証しする。」 フェリクス・マンツ(Felix Mantz,1498-1527、殉…