巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

受肉/藉身(Incarnation)

カッパドキア教父たちと三位一体論

カッパドキア三教父 4世紀のキリスト教世界を混乱させたアリウス派論争の収拾に大きな役割を果たし、ニカイア信仰の確立に尽くしたギリシア教父たち。大バシレイオス、その弟ニッサのグレゴリオス、両者の友人ナジアンゾスのグレゴリオスの3人で、すべて小…

ロマニデス神学を再考する。〔その2〕(by セラフィム・ハミルトン)

質問者のコメント ハミルトン師の応答 アンチペルソナ主義(antipersonalism)――危険な教義 聖グレゴリオス・パラマスと、ロマニデスの描き出す〈パラマス像〉のギャップに驚く 東西の教父たちとギリシャ哲学 「聖書」と「教父文書」の間の区別を実質上、破…

キリスト論的無誤性(by セラフィム・ハミルトン)

目次 聖書論とキリスト論 神的エネルゲイアーー「ロゴイ(logoi )」 シネルギア(協働;synergy)に関する正教理解 神のエネルゲイアと終末(eschaton) 聖書の霊感 聖書の歴史的信憑性 第一番目の欠陥――神の包括的摂理に関する理解不足 第二番目の欠陥――万…

「永遠の哲学」(Perennial philosophy)、新プラトン主義【ニューエイジ、エキュメニズム運動の思想源流】

東方正教会のデイビッド・P・ハリー氏がPerennial Philosophy vs Logos Spermatikos(永遠の哲学 vs ロゴス・スペルマティコス)という講義の中で、現代のニューエイジ、エキュメニカル運動等の思想系譜を概説しています。

プロテスタント救済論について(ジョサイア・トレンハム長司祭)

Archpriest Josiah Trenham, Rock and Sand : An Orthodox Appraisal of the Protestant Reformers and Their Teaching, 2015. Chapter II Heresies of Protestantism(抄訳) それでは今度は、救いに関するプロテスタント教義に注目していくことにしましょ…

福音主義クリスチャンと聖母マリア(Θεοτόκος)(by ロバート・アラカキ)【後篇】

【前篇】からの続きです。 出典 目次 マリアの処女性——聖書的立証 マリアの永続的処女性—神学的角度 祈りのパートナーとしてのマリア プロテスタンティズムの心の傷跡(Protestantism’s Emotional Scars) 正教の方へ漕ぎ出す 「聖書のみ(Sola Scriptura)…

福音主義クリスチャンと聖母マリア(Θεοτόκος)(by ロバート・アラカキ)【前篇】

出典 目次 福音主義クリスチャンにとっての最大のハードル 聖書の中のマリア マリア——全ての福音主義者にとっての母 典礼の中におけるマリア 全地公会議(The Ecumenical Councils) マリアとイコン

懐疑に苦しむ魂への励まし(byトリフォン修道院長)

Abbot Tryphon, Doubt, Orthodox Christianity, 2016 以前、ある女性に会ったことがあります。この女性はかつて一度も自分の信仰を疑ったことがなく、教会の諸教理の内どれ一つとして一瞬たりとも疑った経験がないと主張していました。

崇拝(latria)と崇敬(dulia)の区別【イスラム圏改宗者たちとのディスカッション】

Worship: Latria, Hyperdulia And Dulia | Catholic Apologetics Research Center 先日、クリスチャンになったばかりの元イスラム教徒(シーア派)の女性二人と食卓を囲み楽しく語り合う機会がありました。

ヘシュカスム論争に対するジョン・メイエンドルフの理解(アンドリュー・ラウス、ダラム大学)

聖グレゴリオス・パラマス(1296-1359) 目次 ヘシュカスム論争に対するジョン・メイエンドルフの理解(アンドリュー・ラウス、ダラム大学) 知的プラトン主義、新プラトン主義 異なる禁欲主義理解 メイエンドルフのパラマス解釈に対する諸批判 【…

トマス・アクィナスの解釈学とプラトン主義的伝統(by ピーター・クリーフト 、ボストン大学)

出典 目次 「聖書」と「自然」ーー二つの書 「聖書および自然は、signで溢れている」 脱構築主義との対照 アナロギア(類比) 創造(Creation)

現代宗教建築にみる反サクラメンタリズムーー世俗性の空虚なる直解主義(literalism)

神の聖所だろうか、それともレクチャー・ホールだろうか?ーーエホバの証人、王国会館(出典) 目次 反サクラメンタリズム(by ステファン・フリーマン神父) 写真でみる現代宗教建築 教会建築と美(by ブライアン・ホールズウォース)

著書『どうしたらセキュラー(secular)にならないでいることができるか?ーーチャールズ・テーラーを読む』【ジェームス・K・A・スミス教授へのインタビュー】

A Conversation with James K. A. Smith, 2014(抄訳) インタビュアー:最近の新刊書についてお話ください。 ジェームス・K・A・スミス:『How (Not) To Be Secular: Reading Charles Taylor(どうしたらセキュラーにならないでいることができるか?ーー…

なぜ伝統諸教会では主イエスの磔像がついた十字架(crucifix)が用いられているのだろう?ーー私の探求

キリスト受難の像、キリストの磔像のついている十字架(crucifix)出典 伝統的なカトリック教会、聖公会、東方正教会、そして一部の伝統的ルーテル教会の聖堂に入ると、正面の中央に主イエスの磔像がついた十字架(crucifix)が架けてあるのに私たちは気がつ…

「まなざし」をもつ信仰ーー聖画像の深遠性と内的感覚の開示(by ヨーゼフ・ラッツィンガー)

イタリア、ラヴェンナ(出典) 「聖画像は礼拝時に起こることと内的につながっています。歴史はキリストにおいて秘跡となり、キリストは秘跡の源泉です。それゆえ、キリストの聖画像は宗教絵画芸術の中心です。キリスト聖画像の中心は過越秘儀です。過越に焦…

私の辿ってきた道ーーローレンス・ファインゴールド師の信仰行程

出典 目次 無神論者の家庭に生まれる 美術史の教授との出会い キリスト教美術の世界 石像の研究でイタリアへ 「生きていくのがしんどい。もう生きたくない。」 初めてのミサ カトリックか、プロテスタントか ジョン・ヘンリー・ニューマン カトリシズムのユ…

「典礼乱用」と「聖職者の性犯罪/ゲイ・ネットワーク」の密接なる相関関係について

今日における教会の危機は、以下に挙げる二つの姿勢の中に現出している。すなわち、『グノーシス主義的スピリチュアリズム*1』と『水平的自然主義』である。ーーアタナシウス・シュナイダー司教*2 *1: *2:Bishop Athanasius Schneider is defending traditio…

典礼における時間と空間(ヨーゼフ・ラッツィンガー著『典礼の精神』)【アド・オリエンテムの深遠なる意味】

アド・オリエンテム("to the East")。東の方角を向いて祈るのはなぜだろう? 写真 目次 第二部 典礼における時間と空間 第2章 聖なる場所ーー教会建築の意味 第3章 典礼における祭壇と祈りの方向性

天と地の帳(とばり)が裂け、永遠が時間の中に出現した。

御座にすわる方と、小羊とに、賛美と誉れと栄光と力が永遠にあるように。(黙5:12) 天と地の帳(とばり)が裂け、 永遠が時間の中に出現した。

セオトコスーー真の自由への導針(by ヨルゴス・カプサニス掌院、アトス山修道士)

アトス山(Ἅγιον Ὄρος)修道院群 ヨルゴス・カプサニス掌院(写真右)。アトス山グレゴリウー修道院元院長。2014年召天。出典

受肉された慈悲深き主、光の光。ーー古ローマ詠唱(Incarnatum quoque, pie Domine;AD6世紀)再訪

ローマにあるビザンティン・モザイク画(Basilica of Santa Prassede in Rome)出典 光よりの光、まことの神よりのまことの神。 Φως εκ Φωτός, Θεόν αληθινόν εκ Θεού αληθινού. Lumen de Lumine, Deum verum de Deo vero. ニケア・コンスタンチノープル信条…

キリストの栄光あるからだとしての教会と宇宙(by オリヴィエ・クレマン、パリ聖セルギイ正教神学院)

終末論的な舟を象徴する聖堂の中央(中堂)は、ドームでおおわれている。このドームは、新たな創造、キリストによって創造主と結び付いた宇宙をあらわしている。(出典) 目次 著者について キリストの栄光あるからだーー真の再創造 正教会の宇宙論 神のエネ…

宇宙的典礼と人生の意味ーー東方教父聖マクシモスが遺した霊的遺産(7世紀)

「聖書のもつ謎やシンボルの意味は、神のことば(Λόγος)が受肉したという神秘のうちに全て含まれている。そればかりではない。知覚しうる限りの、可視的/不可視的被造物に隠されている意味も、この受肉という神秘のうちに含まれている。十字架や墓の神秘を…

刑罰代償説(penal substitution theory)に関する東方正教会内の諸見解について

目次 見解① 見解② プロテスタント内での動き 所感 参考文献

教会と、2世紀におけるグノーシス主義者たち(by ブライアン・クロス、マウント・マースィー大学)

自分で決定した正典(カノン)を披露するマルキオン(出典) 目次 はじめに ケリントス、マルキオン、ヴァレンティヌス、ケルド等はいかなる人物であったのか? グノーシス主義者たちは何を教えていたのか? 教会的含意(One Ecclesial Implication)

受肉の神秘ーー現代に語りかけるトマス・アクィナス

「私の神よ、私があなたを忘れても、あなたは私を忘れないでください。私があなたを見捨てても、あなたは私を見捨てないでください。私があなたから離れても、あなたは私から離れないでください。私が逃げだしても呼びもどし、反抗しても引き寄せ、倒れても…

聖体と教会的ドケティズム(ecclesial docetism)について(by ブライアン・クロス、マウント・マースィー大学)

「あらゆる善の中でも至高善である『一致』が、あなたにとっての最大の関心となるよう専心しなさい。」ーーアンティオケの聖イグナティオス(『聖ポリュカルポスへの手紙』2世紀) "The Institution of the Eucharist" Nicolas Poussin (1594-1665) 目次 初…

分裂があたかも一致であるかのようにみなし、分裂に安住することについて(by ブライアン・クロス、マウント・マースィー大学)

The Handing-over the Keys (Sanzio Raffaello、1515) 目次 「一致(unity)」に関する二つの異なる観念 プロテスタント、カトリックそれぞれの教会観 中間的立場は存在しない 共に立つために

エフェソス公会議(431)及びカルケドン公会議(451)について(by ブライアン・クロス、マウント・マースィー大学)

431年に開催されたエフェソス公会議(出典) 目次 全地公会議に対するプロテスタントとカトリックそれぞれの捉え方 エフェソス公会議 告白者マクシモス

「全能なる神は、伝統的キリスト教会の中に『恒久的に』ヘブル的ルーツを植えてくださっているため、『回復』のための新運動はそもそも必要ない。」ーーユダヤ人キリスト者たちの証言

新使徒運動アライズ5ネットワーク指導者であるロナルド・サーカ師は、20世紀後半に起こったNAR(新使徒改革)により、キリスト教会がついに再びヘブル的ルーツに結び合わされることになったと述べ、次のように言っています。