巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

キリスト教リベラリズムの形態

「『教会では、妻たちは黙っていなさい』(1コリ14:34)の箇所は、後代の筆記者による挿入句であり、神のみことばではありません」という主張はどうでしょうか?【キリスト教リベラリズムへの下り坂としての福音主義フェミニズム】

Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 7より翻訳 ゴードン・フィーは、第一コリント人への手紙の註解書の中で、「パウロが1コリント14:34-35を書いたのではない。この箇所は後代の筆記者によって書き加えられたものであ…

女性牧師問題とフェミニスト聖書解釈――「軌道解釈(Trajectory Interpretation)」に対する応答(by ウェイン・グルーデム)【後篇】

〔前編〕からの続きです。 Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 9より翻訳抜粋 回答3.この「軌道解釈」は、旧約聖書とは区別される新約聖書の特異性(uniqueness)について理解し損なっています。 R・T・フランスは次のような…

女性牧師問題とフェミニスト聖書解釈――「軌道解釈(Trajectory Interpretation)」に対する応答(by ウェイン・グルーデム)【前篇】

Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 9より翻訳抜粋 対等主義側の主張:「軌道解釈(Trajectory Interpretation)」 パウロを始めとする新約記者たちは、完全な形での女性リーダーシップに向けての「軌道」を移行中でした。しか…

失われつつある聖書の権威――教会の女性化(feminization)と聖書的男性像の喪失〔フランスにて〕

現在、フランスでは、アラブ系の移民子弟だけでなく、一般のフランス人若者たちもまたイスラムの教えに惹き付けられ、ISISに加入していることが社会問題になっています。パリ近郊で滞在した家庭には高校一年生の男の子がいましたが、数週間前、彼の級友のフ…

イマージング運動――昔風のリベラリズム(by ボブ・デウェイ)【後篇】

〔前篇〕からの続きです。 本書中、もっとも神学的リベラリズムが顕著な例として挙げられるのが、サミール・セルマノヴィック(Samir Selmanovic)執筆による論文「包含性という甘美な問題――他者の中にわれわれの神を見い出す("The Sweet Problem of Inclus…

イマージング運動――昔風のリベラリズム(by ボブ・デウェイ)【前篇】

Doug Pagitt and Tony Jones, Emergent Manifesto of Hope, An (emersion: Emergent Village resources for communities of faith) Bob DeWaay, Emergent Old Fashioned Liberalism 最近、出版されたドーグ・パジット/トニー・ジョーンズ共編『希望のイマー…

ポスト近代と新歴史主義、同性愛、そして聖書解釈【後篇】――真の同胞愛を祈り求めつつ

〔前篇〕〔中篇〕からの続きです。 結語 多くの人が自らのアジェンダでもって、キリストのことばを解釈しようとしています。新歴史主義が、公認された文芸評論として認められるよりはるか以前に、C・S・ルイスは、そのように「非適格な意味」による聖書解釈…

ポスト近代と新歴史主義、同性愛、そして聖書解釈【中篇】――権力者とは誰か?

前篇からの続きです。 The Influence of Postmodernism, Part 4: New Historicism | Answers in Genesis 権力者とは誰か? 新歴史主義者にとって、鍵となるのは「権力/権威 "authority"」です。しかしそれは、私たちが普通想像するような権力とは異なる場合…

ポスト近代と福音主義フェミニズム(スティーブ・ゴールデン)

Steve Golden, Feminism, The Influence of Postmodernism, March, 2013より抄訳 福音主義フェミニズムと聖書的権威(Evangelical Feminism and Biblical Authority) このシリーズで取り扱ってきたその他のポストモダン思想と同様、フェミニスト理論もまた…

次なるステップ――「神、われわれの御母!」【福音主義教会の大惨事】

対等主義側の見解の一例 ポイント5.旧約聖書における女性 (1)神の女性的イメージ 神は食糧、水、衣服を用意するというような、ヘブル文化では女性によって担われていた働きをする者として描かれています。神はまた産みの苦しみを経験し、子供の世話をし…

リベラリズムの道を歩んでいない対等主義の牧会者のみなさまへの公開レター

(自ブログ「地の果てまで福音を」より再掲載) Wayne Grudem, An Open Letter to Egalitarians about Liberalism, June 12, 2013 私が本書(Evangelical Feminism: A New Path to Liberalism)の中で挙げている著者、神学校、出版社に関わっておられる方の…

「1テモテ2:12の『許しません』は現在形動詞であり、一時的な命令であることを示しています。よって、ここは『私は今この時・・許していないのです』と訳してしかるべきです」という主張はどうでしょうか。【キリスト教リベラリズムの脅威】

Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 8 この対等主義見解は次のようになっています。 「ここでのパウロの命令は一時的なものであった。なぜなら、その当時、エペソでは何か普通でない状況が発生していた。おそらく、多くの女性…

「1テモテ2:12-15でパウロが創造に訴えているのは今日性を持ち得ません。なぜなら、創造に関する創世記の記述自体、文化的に相対的であり得るからです」という主張はどうでしょうか。

Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 8 これはウィリアム・ウェブによって提唱されている説です。彼は創世記1-2章の記述を取り上げた上で、次のような主旨のことを言っています。 「堕落前のアダムのリーダーシップに訴える…

「三位一体の中で、御父もまた御子に恭順(submit)しているのです。ですから、御子との関係において、御父に固有の権威があるわけではないのです」という主張はどうでしょうか。【三位一体論とフェミニズム】後篇

人間の友に向けられる中傷に対し、われわれは憤りを覚えている。 しかるになぜ、我々の神が、これほどまでに卑劣きわまりない中傷をお受けになっている現状をみながら、われわれはここまで平気でいられるのだろう? J・グレシャム・メイチェン Wayne Grudem,…

「三位一体の中で、御父もまた御子に恭順(submit)しているのです。ですから、御子との関係において、御父に固有の権威があるわけではないのです」という主張はどうでしょうか。【三位一体論とフェミニズム】前篇

以下は、ウィリアム・P・ヤング著『神の小屋』の中で、「イエス」が、三位一体の神のことを説明する場面です。 「イエス」が主人公のマックに言うセリフ: これこそ、パパ(御父)およびサラユ(聖霊)と私(イエス)の関係にある美しさなんだ。 私たち[三…

「旧約聖書にみられる女性への抑圧や虐待は、男性かしら性(male headship / "家父長制")によって引き起こされたものであり、よって、男性のかしら性が『誤り』であることを示しています」という見解についてご一緒に考えてみましょう。【後篇】

家族に聖書を読み聞かせる父親 Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 4 (前篇からのつづきです。) 回答2. このアプローチは、偏ったフィルターを課し、それは旧約聖書に対する誤った解釈へと人々を導く結果をもたらします。 …

「旧約聖書のヘブル語自体が、『家父長制文化の表現』だったのです」という主張はどうでしょうか。

Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 3 レベッカ・グルースイス(Rebecca Groothuis)は次のように言っています。 私たちが留意しなければならないのは、古代ヘブライ語というのは、家父長制文化の表現("expression of patriar…

「夫に対する妻の恭順の掟は、新約期、『伝道目的』のために出されていたものです。しかし今日ではそういった目的はもはや有効性を持っていません。ですから、妻は夫に従う必要はないのです。」という主張はどうでしょうか。

Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 6 ウィリアム・ウェブは、次のように言っています。 ――ペテロは、「妻たちよ。自分の夫に服従しなさい。たとい、みことばに従わない夫であっても、妻の無言のふるまいによって、神のものと…

「創世記1-3章によれば、男性のかしら性(male headship)というのは、人類が堕落する以前には存在していませんでした。ですから、これは罪がもたらした負の産物です。」という主張はどうでしょうか。【後篇】

Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 3 (前篇からのつづきです。) 回答2. 抑圧的な男性支配というのが堕落以前には存在していなかったというのは真です。しかし、結婚の中における男性のかしら性(male headship)および固…

聖書の主要な教えを、「文化的に相対的なもの」として再解釈しようとする最近の傾向について――ロバート・W・ヤーブロー師の警告(カベナント神学校新約学教授)

Covenant Theological Seminary in St. Louis ロバート&キャサリン・クローガー著「I Suffer Not a Woman」の中で展開されている「グノーシス異端説」に関する書評を書いたロバート・ヤーブロー(Robert W. Yarbrough)は、このレビューの中で次のような警…

同性愛問題と、岐路に立つ私たち聖書信仰のクリスチャン(前回の記事への追記)

下は100万件に近いアクセスのあるマシュー・ヴァインズ氏の同性愛擁護ビデオです(約5分)。教育・法曹・主要メディアだけでなく、今やエヴァンジェリカル界のメインストリームも徐々に、こういった「聖書的」見解支持の方に流れてゆきつつあります。

プロタゴラスとヒューマニズムの起源について(R・C・スプロール)

R.C. Sproul, The Consequences of Ideas, p. 29 プロタゴラス プロタゴラスは、古代アテーナイにおけるもっとも影響力あるソフィストでした。そして近代歴史家たちはしばし彼のことを「ヒューマニズムの父」と描写しています。 プロタゴラスのかの有名な金…

アンチノミアニズム(無律法主義)②-知られざるその脅威

Finny Kuruvilla, King Jesus Claims His Church, Anchor-Cross Publishing, Massachusetts, 2013, p107-108より一部引用 執筆者:F・クルヴィラ師 現在、キリスト教界の中で猛威をふるっている恐ろしい異端の存在に、ほとんどの人は気づいていません。この…

アンチノミアニズム(無律法主義)①-6つの類型

Antinomianism (Japanese) | Grace Valley Christian Centerより一部引用 執筆者:P・G・マシュー師 「Concise Theology」(『聖書教理がわかる94章』篠原明訳)という本の中で J. I.パッカーは、アンチノミアニズム異端をいくつかのタイプに分類している。 …