巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

訂正とお詫び(オリゲネスに関する翻訳記事について)

FirstThings誌に掲載されたデイビッド・ベントリー・ハート氏のオリゲネス論("Saint Origen")を以前、本ブログにて翻訳掲載いたしました。オリゲネスは一般に評価の難しい人物ですが、教会は諸公会議を通し、実に何百年という歳月をかけ、オリゲネス問題に誠心誠意取り組み、裁定を下してきました。そのような歴代教父たちの尽力や過去の公会議記録・著述を深く学ぶこともないままに、一神学者ハート氏独自のオリゲネス評を軽率にも翻訳掲載してしまったことを現在深く悔いております。当該記事は削除いたしました。本当に申し訳ありません。

 

その他にも、自分の無知、誤信ゆえに誤って翻訳してしまった記事がきっとあることでしょう。誤りが判明し次第、神父様に相談しつつ、訂正もしくは削除していくつもりです。みなさん、おゆるしください。

 

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-Philip Schaff ed., Nicene and Post-Nicene Fathers: Second Series, Volume XIV the Seven Ecumenical Councils
-Pauline Allen ed., Sophronius of Jerusalem and Seventh-Century Heresy: The Synodical Letter and Other Documents (Oxford Early Christian Texts) , 2009.
-Saint John of Damascus, Writings: The Fount of Knowledge- The Philosophical Chapters, on Heresies, the Orthodox Faith (The Fathers of the Church, Vol. 37), 2012.  
-Jordan Peterson, Origen, Darwin & Absolute Simplicity--Traditional Philosophy EP 4, Jay's Analysis, 2019. (youtube)
-ヤロスラフ・ペリカン著『キリスト教の伝統 教理発展の歴史〈第1巻〉公同的伝統の出現(100‐600年)』、2006年
-J.メイエンドルフ著『ビザンティン神学―歴史的傾向と教理的主題』、2009年

序章と終章、、、そして新たなる序章。

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東方正教徒として初めての受難節を迎えました。聴罪司祭であり師父である修道司祭からの霊的助言を仰ぐ中、「受難節のこの期間は特にたましいの静寂(ἡσυχία, ヘシュキア)を追い求め、多言を避けつつ、主の前に静まるようお努めなさい」という指導を受けています。

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三位一体神のことを「御母」と呼ぶことが不可能な12の理由(by ドワイト・ロングネッカー神父)

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出典

 

Fr. Dwight Longenecker, Twelve Reasons Why You Can’t Call God “Mother”(全訳)

 

目次

  • はじめに
  • 1.イエスは神のことを「御父」と呼ぶよう私たちに言っておられます。
  • 2.旧約聖書は神のことを御父と言及しています。
  • 3.典礼は神のことを「御父」と呼んでいます。
  • 4.『カテキズム』はなぜ私たちが神を御父と呼ぶのか、そしてこれがいかなる形で神の母的(mothering)属性をも包含しているのかについて説明しています。
  • 5.神のことを「御母」「御父」と呼ぶのは混乱をもたらします。
  • 6.ジェンダーの区別により、愛の関係が可能にされます。
  • 7.神のことを「御父」と呼ぶことは地上の父親から受けた傷が癒される助けになります。
  • 8.マリアこそが天上における私たちの「母」です。神は「母」ではありません。
  •  9.聖書および聖人たちは決して神のことを「御母」とは言及していません。
  • 10.神のことを「御母」と呼ぼうとする試みは、キリスト教からpatriarchy(「家父長制」)の要素をことごとく根絶しようとする全体的計画の一部です。
  • 11.神を「御母」と呼ぶことは、異教の女神を礼拝する行為です。
  • 12.神を御母と呼ぶことにより、ニューエイジ系魔術へのドアが開かれることになります。
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ジェンダー包括訳(gender-inclusive)聖書が私たち女性にとって有害である10の理由(by メアリ―・A・カスィアン)

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Dr. Mary A Kassian, 10 reasons why the new NIV is bad for women(拙訳)*前ブログに掲載されていた翻訳記事です。

 

目次

  • はじめに:「言葉」を変にいじくり回すなら「意味」も変にいじくり回されてしまう
  • 1.包括訳聖書は、ジェンダーという深遠なシンボリズムをぼかし、不明瞭にしています。
  • 2.包括訳は、ジェンダー自体を――それが本来指し示すもの以上に――賞揚しています。
  • 3.包括訳により、女性像(womanhood)というたぐいなき美しさが損なわれています。
  • 4.包括訳はかえって女性を排除する結果になってしまっています。
  • 5.包括訳は女性を貶めています。
  • 6.包括訳は女性を脆弱な存在と見下しています。(It patronizes women)
  • 7.包括訳は、女性に対する神の態度に疑問を差し挟む結果を生み出しています。
  • 8.包括訳は神様の知恵に疑問を差し挟む結果を生み出しています。
  • 9.包括訳は、御言葉を「書き換える」という行為をさらに奨励してしまっています。
  • 10.包括訳は女性を真理から引き離します。
  • おわりに:善戦するに値する戦い

 

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福音派神学生Fさんへのレター

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Fさん、こんにちは。現在、エウカリスチア(聖餐)におけるキリストの現存に関し、それからマリア教義に関し、カトリック教会の教理を真剣に検討なさっているということをお聞きしました。

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虚無主義者について(by セラフィム・ローズ 修道士)

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この世におけるすべては過ぎ行く——。残るはただ神のみ。生涯をかけ欣求するに値するは唯一、この神のみである。

セラフィム・ローズ修道士

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忠実な聖公会信者の方々から受けた恵み【感謝のレター】

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まずは個人的なお話から始めます。私は20年近いプロテスタント信仰生活を経、2018年中盤に一介の旅びととなり、ローマ・カトリック教会、ビザンティン東方典礼カトリック教会、東方正教会それぞれのコミュニオンで教義研究をし、求道し、多くの方々にお世話になりました。

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