巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

表層からは計り知れない人間のこころの深み、呻きと神の憐れみ

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ある時、敬虔な婦人が「Aさんは結局、教会に来られませんでしたね。」と言い、それに続けて、人が神を求めることの大切さを語られたことがありました。

 

神を求めることの大切さという点で私はご婦人に全く同意したものの、それが、教会に足を運ばなかったAさんのあり方となにかしら関連づけられ語られたことに少々戸惑いを覚えました。

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列車の中の神学——マルチ信仰談義【シリーズ④ 倫理性について】(by マイケル・ロフトン)

シリーズ① 永遠の刑罰について】【シリーズ② 聖書正典について】【シリーズ③ 教導権について】からの続きです。

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出典

 

Michael Lofton, Theology on a Train: A Multi-Faith Dialogue, Jan, 2019(拙訳)

 

ルーテル派信者:確かに私たちは教義上の諸問題を抱えているかもしれません。ですが、至高存在を認めない無神論者であるあなたには、何が善で何が悪であるかを認識する方法がないではありませんか。

 

無神論者:いや、ありますよ。何が善であり何が悪であるのかは社会が決定する。

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いつまでも友だちでありたい。【東方典礼カトリック教会L姉への手紙】

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親愛なるL姉へ〔L姉の信仰道程:ノヴス・オルド現代カトリック教会→福音主義教会→東方正教会→正教女子修道院→東方典礼カトリック教会〕

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元教皇座空位論者(ex-Sedevacantist)の探求と人生を駈けた問い【教会の非変節性についての考察】

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教会の非変節性(indefectibility of the Church)の教義と現在の厳しいリアリティーをどのように調和させることができるだろうか。「承認し抵抗する Recognize & Resist」という立場と第一バチカン公会議の間に矛盾はあるのか。(写真

 

目次

  • 元セデヴァカンティスト、ジョン・C・ポントレーロ氏の回想記
    • 私の探求
    • 問題に正面から向き合いたい
    • 不合理的思考
    • 「二つの教会(two Churches)」という理論
    • 正しい問いをしてきただろうか?
    • 選択的記憶——フィリオクェ条項の実例
    • 「教会の外に救いはない」という教義を巡る論争
    • 不可謬性(infallibility)の教理
    • ロマン主義化された教会概念
  • 【補足資料】
    • 教皇座空位論を支持する立場の見解
    • 教皇座空位論に反対する諸立場の見解
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