ノートルダム大聖堂の火災(出典)
ノートルダム (Notre-Dame, 英語ではOur Lady) はフランス語で「私達の貴婦人」という意味で、聖母マリアを指しています。
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「だが友よ、君が真実やりたいと思うことは何であるか。君がいのちに懸けても欲しいと思うものは何か。
...われらは真実生きがいのある人生に想いを定めて、一路ただ真実なる一生を眼がけ励めばよい。しかる時、われら真実の人生を握らずに終わるということはない。そうしてもし人生の真を握り得ば、かくてついに真実に生くるを得ば、他の何を失おうと何の悔いがあろうか。
貧何かあらん。
病なにかあらん。
血肉の悲劇また何かあらん。
人生の真をひたに求め続けてついに得ずということはあり得ない。既にこれを得ば、他はすべてむなしきもの、求むるに値せざるものである。若き日は若き日の夢を持つ。真面目であればあるほど美しい夢を持つ。しかし、それは要するに無知な人間の浅はかな夢想でしかない。人生の実相はもっと苛辣である。真摯なる生活者の一生は失意失敗の連続であることが珍しくない。この意味においては、人の一生は到底その人みずからのつくる所ではない。多くはその人みずからの造ろうとした所と逆な一生である。
にもかかわらず、真摯なる生活者の真実なる一生は、その人みずからの願いしより以上に、一層深刻にその人の願いの通りの一生にまで完成する。...人の企画は浅薄幼稚である。その幼稚なる企画が実行されずして、神の博大高邁なる深謀遠慮が実行されるということは、何という幸福であろうか。」三谷隆正『幸福論』より
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