巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

一人静(ひとりしずか)

ヒトリシズカ

出典

 

一人静 樵夫の道も絶えにけり 谷 迪子

 

ひとりしずか(一人静;吉野静;まゆはき草)は、低山地や傾斜面の木陰などに咲くセンリョウ科の多年草の花です。上の俳句からは、もはや樵(きこり)の道さえなく、辺り一面しーんと静まり返った森の空気が伝わってきます。

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「ヘブル的ルーツ運動」を検証する②(by クリス・ローズブロー)

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「これまで存在してきたものとは異なる種類の信仰を定義している『ヘブル的ルーツ運動』。信仰をそういった運動の定義の中に閉じ込めることにより、『普遍性』および『歴史性』というキリスト教の二大強点がはく奪されています。

この運動を推進しておられる方々がいかに真摯であったとしても、彼らが実質上前提・主張しているのは、「(20世紀に)彼らヘブル的ルーツ運動を実践する人が現れる以前には、キリストは教会に対する御自身の目的を完全には把握できていなかった」ということです。ですから、ユダヤの朋友の言葉を借りるなら、それはフッパー(chutzpah, חוצפה 大胆不敵)以外の何物でもないということになります。」

Labarum Apologetics, "Root of the Problem"

 

目次

  • ヘブル的ルーツ運動の教えのアウトライン(by クリス・ローズブロー)
  • ヘブル的ルーツ運動(New2Torah)のザキャリー・バウアー氏と、中西バプテスト大神学生ジョシュ・サマー氏の公開ディベート

 

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「はじめから全く挫折し崩壊状態にあった教会」ーージョン・ネルソン・ダービーの教会観・終末観及びその思想的余波について(by E・H・ブロードベント他)

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ジョン・ネルソン・ダービー(1800-82)

 

目次

  • ジョン・ネルソン・ダービーの教えーー崩壊状態にある教会
    • 「おのおののディスペンセーションは最初から失敗していた。」
    • 「崩壊状態にある教会」というダービーの教会観に対するアウグスト・ロシャーの反駁
  • ダービーがこのような教会観を持つに至った経緯について(ヴェルン・ポイスレス、ウェストミンスター神学校)
  • 〔補足〕ペンテコステ神学へのジョン・ネルソン・ダービーの直接的・間接的影響について
  • 〔補足2〕「‟J・N・ダービーの教えの遺伝子”の反映度」とは何か?(安黒務師)
    • B・バス著『ディスペンセーション主義の背景』
    • 最初のボタンを掛け違えると、最後のボタンは留められない。
    • 真水と塩水
    • 孤独な戦い
    •  ムードやナショナリズムに押し流されてはいけない。
    • 「ユダヤ人とは、誰か?」
    • “ディスペンセーション主義”に基づくエゼキエル書40-48章解釈の吟味・検証ためのひとつの材料の提供

 

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「ヘブル的ルーツ運動」を検証する①(by ジョシュ・サマー)

目次

  • はじめに
  • ヘブル的ルーツ運動(The Hebrew Roots Movement)
  • プロテスタントとの対比
    • 相違その1
    • 相違その2
    • 相違その3 
  • 核心問題
  • 考えられ得る反論
  • 結論

 

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二つの深淵ーー「放縦主義」と「ユダヤ主義」の狭間を歩むキリスト者のけわしい道

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振り子は右から左、あるいは左から右へと振り切れやすいものです。私は元来、白黒はっきりさせたいタイプの人間であるため、他の人以上に「振り切れ」の潜在的危険性を持っています。そして忍耐深く憐れみに富んだ主は、さまざまな形で私のそういった弱点を矯正しようと日々働いてくださっています。

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意図されたものではなかった宗教改革?(by マイケル・ホートン、ウェストミンスター神学校)

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目次

  • 一般に受け入れられているモダニティー解釈
  • 〈スコトゥス・ストーリー〉とは何か?
    • 1.一義性(Univocity)
    • 2.節約の原理もしくは「オッカムの剃刀」
    • 3.知性そして自然から(神および私たち両方の)意志を分離させるラディカルな主意主義(voluntarism)
    • 4.「普遍」よりも「個別」の方により焦点を置く
  • つじつまが合う
  • 実際の主題
  • 誤りを含み、且つ瑣末な諸主張
  • 欠落したナラティブ

 

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聖書的liturgyの意味と霊性の回復を求めてーー公的礼拝における詩篇賛美(瀧浦 滋師の論文紹介)

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はじめに

 


冒頭の記事でも指摘されているように、近年、比較的若い世代の「伝統(教会)回帰」が目立ってきているそうです。コンテンポラリーな礼拝環境の中で飢え渇きを覚え、彼らは自分たちの古のルーツや伝統を求め旅を始めています。

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